先日見つけたムック本「交易新世紀 -世界を動かす現代物流の鼓動-」(三栄書房)がとても面白かった。
「物流」にフォーカスした内容で、国際、国内を問わず、様々な物流の現場と、そこに携わる人々を取り上げている。

海上貨物のコンテナ・プランニング、自動車を航空機で運ぶためのフォワーダー、海外引越の話あり。
日本と外国のビジネス環境の違いにより、物流の現場も様々だということが、ムック本らしくビジュアルたっぷりで魅せてくれる。
最近は、製薬メーカーから保管の依頼を受けた倉庫会社には薬剤師が置かれているという話など目からウロコの話も多かった。

ところで、物流は「運送、保管、荷役、包装、流通加工、情報管理」の6大機能で構成されるものだ。
ところが、運送がすなわち物流と誤解されることも多い。
物流業界のうち、一般の人に見える場面は運送の部分ばかりだからだろう。
実際には、貨物を倉庫に保管しておき、需要に応じて出荷をコントロールするだとか、安全性や重量バランス、コストなどを考えながらコンテナに積み付けをするだとか、貨物の性質に応じて梱包や保管を考えるとか、物流に携わっている人の業務は多岐に渡る。
それこそ、Amazonなどのネットショップ、ASKULやたのめーるといったオフィス通販が迅速に商品を届けてくれることができるのは、物流の6大機能をフルに使っているからだ。

ところが、学校の進路指導の先生でも、「物流会社に入社する」ことを「ドライバーなどの運転・操縦する人になる」ことと誤解されている人はけっこういる。
学生だとさらにその傾向は強く、事務系で「貿易分野に就職する」ことは「商社やメーカーに入社すること」と思いこみ、国際物流業者はなかなか思いつかないのも事実。
(貿易実務の授業で国際物流業者のことは教えているが、自分の就職活動となかなかリンクしないらしい。)
ひじょうに面白い業界だし、意識に上らないせいで就職チャンスを逃すのはひじょうにもったいない。
ぜひとも進路指導の先生や国際ビジネス分野を志望する学生には、ぜひともこの本を読んでもらいたいところだ。

私も授業では学生・生徒に薦めている。
ただ、よっぽど大きな書店じゃないと置いてないし、Amazonでも中古にプレミアムがついて(元値の3倍!)いる。
みんながうまく入手できますように!