江戸時代の絵画というと、浮世絵も含めて難しいものというイメージがあると思います。
たしかに最近は伊藤若冲展が大入りだったり、歌川国芳のユーモラスな猫や金魚の絵に人気が出たりもしていますが、やはり「難しく」「芸術」の範疇で考えている人がほとんどだと。
その考えをひっくり返す展示会が、明石で開催されている「江戸の遊び絵づくし」(9月4日まで開催)というイベント。

江戸の遊び絵づくし上下どちらから見ても人の顔に見える絵や、頭は5人分なのに10人にも見えるレイアウトの妙のある絵など、現在でいうところの玩具やクイズといった様々な「遊び」に使われた浮世絵が数多く展示されています。

人が寄ってたかって一人の姿を構成する「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」(歌川国芳)あたりは知っている人も多いかもしれないけれど、こういったのは「寄せ絵」といわれるジャンルで、人や動物など様々なものでいろんな絵があります。
クイズといえば「判じ絵」というジャンルがあり、答えが解ればほんとうにくだらないダジャレばかりで苦笑することは確実。
「ふ」は「副」に通じるということで、ふの文字から始まる文物ばかりを集めて1つの絵にする「ふ尽し」の「有卦絵」なんかは、縁起をかつぐ江戸の人の気持ちをよく表しています。

こういう絵なので、無名の絵師が描いているのかというと、さにあらず。
歌川国芳や国貞、広重といった歌川一門、葛飾北斎といった誰でも知っている名前がずらずらと並んでいます。
もしかしたら、役者絵や風景画だけでは彼らも食っていけず、こういう庶民向けのものも描いていたのか?とも思ってみたり。

ひじょうに面白い展示会で、ぜひともみなさんも見に行ってもらいたいイベントでした。
一点、この展示会に苦言を呈させてもらうとすれば、あーでもない、こーでもないとおしゃべりをしながら絵の読み解きをするお客さんがいたのですが、係員の人が静かにするように注意をしたこと。
こういう内容なのだから、きゃいきゃいと笑いながら見るのがむしろ「筋」だと思うのだけど、美術館ということで画一的な対応をされていたのが残念でした。