兵庫県立美術館で開催中の「プラド美術館展-ベラスケスと絵画の栄光-」に行ってきた。
春に出張時に東京・上野で開催されていたのだが、すごい行列で諦めたこともあり、とくに楽しみにしていた。
今回は巨匠ベラスケスの作品が7作も出展されていることもあり、大人気必至なので平日にいくことにしたのだが、そのおかげもあってかなり空いており、じっくり見ることができた。

プラド美術館は世界三大美術館と言われるほどの巨大美術館なので、当然、外での展示ではテーマを決めて一部だけ。
今回のものはサブタイトルの通り「ベラスケスの時代」、つまり17世紀、スペイン王で言えばフェリペ4世の頃のもの。
ある意味、スペイン宮廷絵画が一番豪奢であった時代のものと言える。
ベラスケス以外にも、スルバラン、エル・グレコ、ヤン・ブリューゲル(父)、ティツィアーノ、ムリーリョ、ルーベンスなど有名どころが勢揃い。

私はベラスケスが好きなので、今回の展示については年初からずっと楽しみにしていた一方、「あえて」何が出展されるのか調べずに現場で驚いてみようと考えていた。
さすがに国宝級の「ラス・メニーナス(女官たち)」や「ブレダの開城」は来ないであろうとは思っていたが。
それでも、有名な「狩猟服姿のフェリペ4世」や「王太子バルタサール・カルロス騎馬像」、「マルス」が来ていたのには感激!
(後者は今回の展示のメイン絵画)
しかし、幼少の王太子像(この王太子は夭逝した)はともかく、フェリペ4世もその次の王様のカルロス2世も、見事な「パプスブルクの顎」だこと。
先日見に行った「ルドルフ2世展」でのものよりも、一層磨きがかかっているような気。
近親婚、血族婚恐ろしや・・・

王族の肖像画、宗教画、神話画、風景画、静物画など幅広く、かつては宗教画一辺倒だったヨーロッパ絵画がテーマを広げた時期であることを示していた。
また、宗教画もカトリック教国であるスペインとして対抗宗教改革としてモチーフを広げていた様子も見て取れた。
ところで、ガチガチのカトリック教国であるスペインはもちろん、キリスト教圏であるヨーロッパで、ギリシャ・ローマ神話をモチーフに描くというのはどういう感覚なんだろうといつも不思議に思うのだけれども。
ギリシャ・ローマ神話の逸話を王族の栄光に例えるにしても、彼らにとっては異教じゃないのか、どう折り合いをつけているんだろう?と思ったり。

しかし、日本の美術館でどうしてこう旧態依然とした感覚なんだろうね。
欧米ではフラッシュを使わなければ写真撮影のところが増えてきていて、混雑してなければスケッチ可のところまであるのに、日本でこれらを許されている展覧会はまずない。
そもそも、写真撮影禁止の一番の理由は「フラッシュの光が作品の悪影響を与える」という点なのだから、相当暗くても撮影できるのでフラッシュは使わない今時のデジカメ(スマホのカメラを含む)では問題ないはずなのだが。
私なんか「フアナ・デ・アウストリア」(アントニス・モル作)について、「このフアナって狂女ファナのことだっけ?」とスマホで調べようとしただけで咎められた。
(後で調べたら100年ほど違う別人だった)
西洋美術は背景がわかって楽しめるものが多いのに、調べることすら禁止とは、芸術鑑賞を広めようという気がないんだろうか?
そろそろ時代や美術館の存在目的を考えて意識を変えて欲しいなぁ。

入口上部。ベラスケスの7点。

入口上部。今回出展されているベラスケスの作品7点。

 

王太子バルタサール・カルロス騎馬像

今回のメイン絵画「王太子バルタサール・カルロス騎馬像」の描かれた看板。

 

パンフレット