年明けから見に行った美術展について書くのを忘れていたので備忘録的に。
年明け早々には、大阪市立美術館で開催されていた「ルーブル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか」を見に行った。

これは、ルーブル美術館に所蔵されている絵画から彫刻などの肖像性のあるものを紹介するもの。古くは神殿にささげられり墓碑銘代わりであった古代の肖像から、新しくは王権の象徴であったり単に自らの姿を残すための19世紀のものまで幅広く展示されていた。目玉作品(パンフレット表紙になっていたもの)は、「アルコレ橋のボナパルト」(アントワーヌ=ジャン・グロ)、「エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像」(エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン)、「赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像」(ボッティチェリとその工房)、「女性の肖像(通称、美しきナーニ)」(ヴェロネーゼ)あたり。

今回、私が見たかったのは、ヴィジェ・ル・ブラン。ル・ブランはマリー・アントワネットの肖像で有名、また、フランス革命の後は欧州を旅して各地で王族・貴族の肖像で人気を博し、さらにはその美貌で知られた女流画家。上に挙げた絵もそうだが、本展で展示されていたオーギュスタン・パジューによるル・ブラン20歳当時の彫刻も見たかった。小ぶりの肖像彫刻だが、目を引く美しさ(ある意味、日本人男性が好きなタイプ)がよく表されていた。

さすがルーブル、作品、作家ともに有名どころばかりだが、「マラーの死」(ジャック=ルイ・ダヴィッド)も見たかった作品。この絵は、ジャコバン派指導者であったジャン=ポール・マラーがジロンド派に暗殺された事件を描いたもの。ダヴィッドはフランス革命時にはジャコバン派であったため、世界史の教科書にも載っている「球戯場の誓い」を描き、この絵も自らの政治的指導者の死を悼んだもの。しかし、その一方で彼の代表作は「ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト」(今回は出展されず)などのナポレオンの肖像画だったりする。さらに、フランス革命前にはブルボン王朝からの依頼で「ホラティウス兄弟の誓い」を描いている。王政→共和制→帝政と支持する相手を鞍替えするとはなかなかの変節ぶりといえ面白い。

本展示会では、いくつかの絵と自分の顔をモーフィング合成するアトラクションの素材になっていた。私も「アルコレ橋のボナパルト」と自分の顔を合成したのを作った。最近のSNSでのアイコンはコレ。面白いことができるものだ。

入口。
右は「赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像」(ボッティチェリとその工房)、
左は「エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像」(ヴィジェ・ル・ブラン)
展示会パンフレット。
表紙となるのは「アルコレ橋のボナパルト」(アントワーヌ=ジャン・グロ)

絵と自分の顔写真を合成する機械で出力したもの。