初夏の猿投山ハイキング

先週は、愛知・豊田市の猿投山(標高629m)にハイキング。
名古屋に出かける事情があり、ついでにどこか山に登りたいと思ったのだが、なにせ名古屋近辺には高い山がない。
今、NHKの「グレートトラバース 日本3百名山 ひと筆書き」という番組で、プロアドベンチャーレーサーの田中陽希氏が日本全国を巡っている。
しかし、愛知には3百名山がなく、その一方で田中氏は、たとえ3百名山ではなくともどの県でも少なくとも1つは登ることにしているそうで、そこで登った愛知県代表の山がこの山というぐらいだ。
私もどこに登ろうかと迷ったが、交通の便の良さからここを選んだ。

スタートは8時半に麓にある三河国三宮の1つである猿投神社(標高140m)から。
山の中にはこの神社の東の宮と西の宮があるが、この山は古来、山嶽信仰・巨石信仰の山として親しまれ、崇敬されていたらしい。
今は名古屋近辺の人々がファミリーでハイキングによく来る人気の山となっている。

登山口には、熊出没注意の表示があり、実際に去年、今年と見かけたという情報があるので、登山者は皆、熊鈴をガランガラン鳴らして登っている。
まあ、これだけ多くの人が行き交えば遭遇することもないだろうけど、一応、私もぶら下げる。

全行程、新緑の時期なので明るい雑木林の中、幅が広く斜度も急ではない歩きやすい道。
様々な鳥の声が聞こえるのだが、いつもどおり姿が見えないのはご愛敬。
登りの東の宮ルートは、途中の何ヵ所かの開けたところや巨石以外は面白い景色がないのが欠点といえば欠点か。
そういえば、途中でセミの鳴き声が聞こえた気がした。
他の登山者と「え、もう?」という感じで顔を見合わせたが、実際のところあれはセミだったんだろうか?

スイスイ登って山頂に着いたのが10時半。
一等三角点があるので、踏んで「デン」をつく。
山頂にはケルン(なんで?)やベンチがあり、多くの人が寛いでいた。
ここからは、西に伊吹山、北に恵那山や御嶽山が見えるとのことだったが、当日は天気は良いが霞がかかっていて全然見えず。
春登山は遠望が利かないことが多いのがなぁ。

ちょっと早めだがお昼を食べて下山。
ちょっと歩き足りないので、戻りは西の宮から西回りルートに足を向ける。
東の宮ルートよりもマイナーなのか、こっちではすれ違う人が各段に少ない。
しかし、大碓命の墓があったり、小さいながらも滝が続く渓谷、さらに里山地区があるバリエーションに富んだルートでもある。
ちなみに大碓命とは景行天皇の皇子で、日本武尊(小碓命)の双子の兄とのことで、この墓は宮内庁管理となっている。
山中にいきなり立派な石組みと宮内庁の標識が建っていたので少々驚いた。

ゆるゆる歩いて、スタート地点に戻ったのは13時。
適度な運動になった軽山行であった。

猿投神社の表門。

気持ちの良い登山道。

山頂の標識。遠くまで見えたらよかったのになー

大碓命の墓

渓流にある七滝の1つ。