通関の世界の風物詩

日本の通関の世界には、季節を感じさせる風物詩というべきイベントがあります。
その1つについて、税関ホームページで動画が公開されました。

「2015年ボジョレーヌーボーまもなく解禁!」(税関チャンネル)

そうです。
毎年恒例、ボジョレヌーボー・ワインの解禁日に合わせて、フランスからの貨物を通関する光景です。
毎年11月第3木曜日の「解禁日」はすっかり有名になりましたが、この日に必ず間に合うよう、第一便は航空貨物で送られます。
当然、輸入通関が行われるわけですが、今年は解禁日が11月19日ですので、東京(羽田)、大阪(関空)では、10月31日(土)に通関が行われ、その様子が公開されました。

このように、毎年恒例のものとして他には、春の「カーネーションの輸入通関風景」もあります。
日本はけっこうな数の花卉(生花)を輸入していますが、その総数は年を通じてほぼ一定だそうです。
しかし、3~5月頃だけはカーネーションの輸入が増大します。
いうまでもなく、5月第2日曜日の母の日に合わせたものです。
ちなみに、カーネーションの輸入も航空運送によるものが多く、原産地としては以外なことに近年ではコロンビアが1位になっています。

他には、春にはアメリカンチェリー、秋にはカナダ産マツタケも風物詩の1つです。

特定の税関だけの風物詩もあります。
たとえば、神戸税関では11月下旬にイルミネーション・イベント「ルミナリエ」の輸入通関が行われるのが恒例です。
あまり知られていませんが、ルミナリエのあの電飾はイタリアからの輸入品です。
イタリア各地の教会祭事で使用されている部材の中から、デザイナーさんがその年のデザインに必要な ものを選んで、日本に輸入しているのです。
もちろん、イベントが終わると輸出することになります。

イベント的な風物詩ではなく、どんな貨物の動きが激しくなっているかでわかる風物詩、通関の世界らしいと思いませんか?
まあ、ほとんどの通関関係者は、特定の時期に急激に増える貨物量で季節を知ることの方が多いとおっしゃるでしょうけどね。(I)

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