関門海峡をぶらぶらと
門司のある関門海峡は、瀬戸内海の出入口として言わずと知れた海上交通の要所です。
ひじょうに狭い海峡で、九州側から本州側の人の動きが見えるぐらいで、その間を通過する船舶もかなり近い距離で見えます。
行きやすく、見やすい場所としては、JR門司駅を出てすぐのところにある海岸沿いの公園でしょう。
海峡がとくに狭くなっているので、船が近くに見えるのがポイントです。
関門橋のたもとにある和布刈公園も狭くなっている場所ですが、ちょっと行きにくいので、門司駅の方が手軽でしょう。
私が行ったときにも、大型レンズを付けた本格的なカメラを構えた人が何人も通過する船にシャッターを切っていました。
私が眺めている間にも、在来船、自動車運搬船、コンテナ船と、大型貨物船が何隻も行き来していました。
そのうち、興味深かったのが、三枚目の写真になるコンテナ船、錦江シッピング(JINJIANG SHIPPING)の「JJ NAGOYA」号です。
自動車運搬船以外では、貨物船はほとんどブリッジも煙突も後ろにあるのがほとんどですが、この船はブリッジが前にあります。
いうなれば、客船の形式なわけで、こういう形式は珍しいのではないかと思います。
こういう珍しい船も見ることのできるの関門海峡エリアは、船が好きな人には、いつまでいても楽しい場所だと思います。
また、門司といえば門司港でしょう。
いまやJR門司港駅近辺は観光地区となっていて、かつてのような貿易港としての役割は新門司港に譲っています。
しかし、観光地区は「門司港レトロ地区」と呼ばれ、旧門司税関庁舎や、旧大阪商船門司支店、旧大連航路上屋など往時の繁栄ぶりを表す建物がたくさんあって、楽しむことができます。
門司港には繁栄の歴史とともに、悲しい歴史もあります。
戦時中には、ここより多くの将兵が出征しましたが、そのうち約100万人が戻らなかったといいます。
100万人といえば、門司のある北九州市の現在の人口と同じぐらいです。
また、戦地には多くの軍馬が出征しましたが、軍馬の生還はゼロだといいます。
そのため、海岸沿いには、ここより出征し戻らなかった出征兵士を追悼する「門司港出征の碑」が、出征軍馬が最後に日本の水を飲んだ「出征軍馬の水飲み場」があります。
なお、門司港レトロ地区の近辺には、今でもフォワーダーの倉庫も近辺にまだたくさんあります。
また、門司税関はまだこちらにありますので、このあたりもまだまだ貿易拠点の1つといってもいいでしょう。
そんな門司港レトロ地区ですが、私が散策したときに門司税関が「税関記念日」のイベントを行っていました。
「税関記念日」というのは、1872(明治5)年のこの日に、それまで運上所と呼ばれていたものを税関の名称に統一したことから作られた記念日です。
各地の税関で記念日周辺の休日にイベントを開催していますが、私が門司港地区を訪れたときが丁度そのタイミングでした。
税関監視艇の乗船見学、麻薬探知犬のデモンストレーション、カスタム君出動など。
麻薬探知犬のデモンストレーションでは、私も飛び入り参加して、麻薬(の臭いを付けたもの)が入っているかもしれないカバンをもつ役をやらせてもらいました。
(私のには入っておらず、別の方のカバンでした。)
TV局の取材も来ていたのですが、放映されたのかされなかったのか・・・
麻薬探知犬のハンドラー(訓練士)の方々には、いろんなお話を聞くことができましたが、それはまたの機会に・・・
やっぱり貨物船をたくさん見ることができるところは楽しいですね!(I)