「日本語パートナーズ」を知っていますか?

皆さんは「日本語パートナーズ」という事業をご存じでしょうか?
外務省の外郭団体、独立行政法人国際交流基金が行っているもので、アジアの中学校や高校で現地の日本語講師の”アシスタント”や文化交流する人材を派遣する事業です。
(事業のサイトはこちら
現在(2017年9月1日)、2018年5月以降に派遣するグループの参加者募集が行われています。

この事業は日本政府によるもので、日本とアジアを結ぶ文化交流政策として2014年より行われているものです。
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までの7年間を目途に,3,000名以上の“日本語パートナーズ”を派遣することを目標としています。
平たくいうと「アジア各国に日本のファンになってくれる若者を増やそう!」という事業ですね。

アジア各国の中学校、高校ですが、日本語講師はメインで行う人がおり、「パートナーズ」はあくまでもアシスタントですので、日本語教育の専門家でなくでもOKです。
むしろ、授業外で学んだ日本語を喋ろうとする生徒たちのパートナー役であったり、現地で日本語や日本文化の魅力を伝える交流活動をしたりと、本職の先生方の周辺が活躍の場となります。
そのため、参加資格は「満20歳から満69歳までの、日本国籍を有する人」とかなり広く門戸が開かれています。
実際、パートナーズの案内サイトには、学生からリタイア後の人まで、老若男女問わず様々な経歴を持つ人の参加体験が掲載されています。
派遣期間は派遣先国によって違いますが、9ヶ月~11ヶ月程度です。
ボランティアではないので、ちゃんと報酬は出ますし、派遣・帰任時にも準備手当があります。

私の生徒の中にも、「パートナーズ」だった人が何名もいます。

「貿易の授業を受けるうちに、ビジネスの基本である海外現地文化への理解を深めたくなって、訓練終了後にパートナーズに参加した」という人や、「パートナーズ参加後、海外と関わる仕事をしたくなって、貿易の勉強に取り組みたくなった」という人と、貿易の勉強が先かパートナーズ参加が先かもバラバラです。
どんな子供たちとどういう交流をしたであるとか、休暇(ちゃんとあります)の際にはどこそこに行ったという話を、ほんとうに楽しそうに話されます。
そして、いずれの方も口を揃えていうのが、この事業への参加が「ひじょうに良い経験になった」ということです。
中学生、高校生という子供相手だから、また、アシスタントだからといって、気軽であったり、ゴマカシが利くわけではなく、むしろ、まっすぐに臨んでくる彼らに真面目に向き合う必要があります。
そして、日本語教育のテクニック云々よりも、相手の懐、心に飛び込むための姿勢がより重要になってきます。
語学力だけが成否を決めるわけではない、いかに相手と向き合うかが大事だという点では、海外ビジネスに通じるところがあると思います。

もちろん、派遣中に直接的にビジネスを行うことはできませんし、そういうことに使うのは禁止されています。
しかし、そこで得た経験、そこでできた人脈は後々ずっと残るものですから、長い目で見ればビジネスに役立てることができるでしょう。

欠点といえば、選考期間がけっこうかかることと、日本帰国後の、仕事を含めた生活をどうするか考えなければならないことです。
とくに現在、就業中の方だと休職扱いにしてもらえるのか、それとも選考に通ったら退職して帰国後に就活をするのか悩ましいところです。
しかし、数か月の海外経験は上述のとおり、帰任後の仕事(就活も含む)に大いに役立つことでしょう。

今回の募集は、インドネシア(40名程度)、タイ(40名程度)、ミャンマー(3~5名)、ラオス(2名)で、応募締
切は10月19日です。
どうなものか知りたいという方には、全国各地で説明会も開催されていますので、まずはこちらから参加されてみてはいかがでしょうか。