前回、航空運送の現場で使われるCity CodeやAirport Codeの3文字アルファベットの並びのルールとして、基本的には地名や空港名の「読み」にちなんで付けられているとお話ししました。
同じCodeは使えないので、他の都市や空港で既に使われている文字列があれば、別も文字を使う場合があるともお話ししました。
しかし、そういう例とは別に、地名や空港名の読みと全然違うCodeとなっているところもあります。

1つのパターンは、下の各都市のような例です。
・ホーチミン(Pho Ho Chi Minh、ベトナム)-City Code:SGN
・ムンバイ(Mumbai、インド)-City Code:BOM
・サンクトペテルブルク(St.Petersburg、ロシア)-City Code:LED

勘の良い方ならばおわかりと思いますが、これらは以前の都市名の読み方がCity Codeとなり、それがそのまま使われているものです。
ホーチミンの旧名はサイゴン(Saigon)、ムンバイの旧名はボンベイ(Bombay)、サンクトペテルブルクの旧名はレニングラード(Leningrad)だったわけです。
とくにサンクトペテルブルクは、何度も名前が変わっている都市で、1703年~1914年はペテルブルク、1914~24年はペトログラード、1924~91年のソ連時代はレニングラードという名前でしたので、このCity Codeは付けられたのがソ連時代であったことがわかります。

もう1つのパターンは、地名や空港名とは関係なく、特定のアルファベットが付けられている場合。
顕著な例はカナダの各都市のCity Codeや各空港のAirport Codeで、下のとおり地名や空港名とは関係なく「Y」で始まっています。
・バンクーバー国際空港(Vancouver International Airport):YVR
・モントリオール・ピエール・エリオット・トルドー国際空港(Montréal-Pierre Elliott Trudeau International Airport):YUL
また、City CodeはYMQです。
・トロント・ピアソン国際空港(Toronto Pearson International Airport):YYZ
また、City CodeはYTOです。

カナダの場合、他にも「X」で始まる空港(主に小さな空港)がたくさんあります。
この理由がなぜか調べたのですが、なかなかはっきりわかりません。
一説によると「米国国立気象局が割り当てた」とのこと。
米国には多くの空港がある(または、できる可能性があった)ので、Codeが被らないようにあらかじめ、地名や空港名ではあまり使われない「Y」や「X」を頭に付けたCodeが割り振られたのではないかと思われます。

カナダと似ていますが、逆に末尾が特定の文字になっている場合もあります。
実は日本の中~小規模な空港のAirport Codeにこの例が多く、下の通りです。
・旭川空港(北海道):AKJ
・松本空港(長野):MMJ
・新潟空港(新潟):KIJ
・鳥取空港(鳥取):TTJ
・広島空港(広島):HIJ
・熊本空港(熊本):KMJ

見てのとおり末尾「J」がついてますが、これは単純に「JAPAN」ということでしょう。
より謎なのは新潟空港の「KIJ」で、1文字目の「K」は新潟という地名と全く被りません。
NIGやNGAは既に使われていますが、NGTとかNIJ、NGJといったCodeは空いています。
なんでも、新潟出身の大政治家 田中角栄が首相だった1973年(昭和48年)に初の国際路線であるハバロフスク線が開設されたので「角栄」の「K」を付けた噂もあるとか。
新潟空港はもっと前からありますし、このCodeが付けられたのがいつなのか確実なところがわからなかったので正しい話かどうかはわかりませんでしたけどね。(I)