2015年度 通関士試験までの小目標設定

そろそろ、通関士試験対策本の2015年版が出揃ってきています。
通関士試験は10月に実施されますので、勉強期間は半年以上、人によってはもっと長い期間となります。
これだけの長丁場だとと、中だるみしてしまう人もけっこういるようです。
中だるみを防ぐためには、通関士試験本番を大目標として、途中にいくつか小目標を持ってくるのが効果的です。

小目標の1つが、模擬試験であることはいうまでもありません。
8月下旬から9月中旬にかけて、各スクールで実施される模擬試験までに合格水準に持っていき、本番試験まで弱点補強を行うのが定番です。

しかし、8月下旬までも相当長いので、その前にいくつか小目標が欲しいところです。
私がお勧めするのは、5月上旬の貿易実務検定と、6月下旬の安全保障輸出管理実務能力認定(STC)です。

今年の貿易実務検定C級5月試験は5月10日(日)実施です。
そもそも通関手続きの流れや、それこそ、通関手続きが貿易取引の中でどのようなポジションにあるのかがわからないと、通関士試験向けの勉強そのものも理解が曖昧になってしまいます。
ところが、ほとんどの通関士試験のテキスト本は「そのあたりは解っているもの」という前提で記述されています。
通関士試験合格のためには、まずは貿易実務の勉強をして、「前提知識」を十分に身につけておくことが重要です。
とくにインコタームズの11条件については、解っていないと通関実務の問題を解くことができません。
前哨戦の1つとして、通関士と並行して勉強するといいでしょう。

安全保障輸出管理実務能力認定(STC)の6月試験は、6月29日(月)実施です。
この試験は、外為法、とくに、輸出貿易管理令に特化した内容のものです。
6月試験では、AssociateとAdvancedの2レベルで実施されますが、通関士試験の小目標としては、Associateレベルで十分でしょう。
外為法は通関士試験の範囲にも入っていますので、勉強は兼用でできます。
STC試験の方が少し細かいところまで出題されますが、大は小を兼ねるぐらいの感覚で勉強しておいたほうが、通関士試験には役に立つでしょう。

ご存知のとおり、通関士試験は合格率が10%そこそこしかない難関試験です。
こういう予想を今からするのは良くないのでしょうが、もし、通関士試験に失敗したとしても、貿易実務検定、STCの2つの資格を取れていれば、半年以上の勉強が無駄ではなかったと思えるでしょう。