外国貨物の定義

通関士試験においては「外国貨物」という言葉は基本中の基本です。
しかし、基本だからこそ落とし穴があったりします。

外国貨物の定義は下の通りです。

  • 関税法第2条1項3号
    輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む)で輸入が許可される前のものをいう

ここから「輸出の許可を受けた貨物」と「外国から本邦に到着した貨物」の2種類あるということがわかります。
よって、関税法の中でもこの二つの違いを意識した取扱いがなされているところがあります。

1つは関税法第45条(許可を受けた者の関税の納付義務等)です。
ここでは「保税蔵置場にある『外国貨物』が亡失し、又は滅却されたときは、当該保税蔵置場の許可を受けた者から、直ちにその関税を徴収する」とあります。
しかし、この外国貨物については括弧書きで「輸出の許可を受けた貨物を除く」という条件が附されています。
ということは、同じ外国貨物でも「外国から到着した貨物」が亡失したり/滅却された時は関税が徴収されますが、「輸出の許可を受けた貨物」であれば、関税は徴収されないということです。(この規定は他でも準用されますので重要です。)

もう1つは関税法第65条(運送の期間の経過による関税の徴収)です。
保税運送の承認を受けた貨物がその指定された運送の期間内に運送先に到着しないときには、関税が徴収されますが、これについても、「輸出の許可を受けた貨物」の場合は除外されます。
ちなみに、郵便物についても、同第63条の9第1項(郵便物の保税運送)の規定により届け出て運送される貨物についても、「運送先に到着しない郵便物」は関税が徴収されます。
しかしこの場合も括弧書きで「輸出されるものを除く」となっています。

このように「輸出の許可を受けた貨物」については、上述の状況でも関税が徴収されない理由としては、関税定率法で「輸出の許可時の性質・形状のまま再輸入する貨物については関税が免除される規定(再輸入免税)」と同じく「元々本邦の貨物であったものであるから」という考え方でいいでしょう。

試験において、輸出の許可をうけて外国貨物となったものについて、亡失/滅却されたときに関税が徴収される旨の記述があった場合には「×」です。
もちろんこんな簡単な書き方をする問題は出ませんが、シチュエーション問題の場合には惑わされないように注意して下さい。

さらに、特例輸出貨物の扱いと絡めて出題されるような場合もあります。
たとえば、関税法第67条の5(特例輸出貨物の亡失等の届出)で、「保税地域以外の場所にある特例輸出貨物が亡失した場合」でも関税を徴収されることはないとなっています。(亡失したことを届け出る義務はあります。)
これもやはり、特例輸出貨物でも輸出貨物だからと整理することができますが、キーポイントは「保税地域以外の場所にある」という点です。
特例輸出貨物は保税運送の承認を受ける必要がありませんから、保税運送の条項とは別規定になっているわけです。

以前の説明のとおり、原則と例外、特例が混じっていると難易度があがりますので注意して下さい。