貿易用語でのFree

このところ通関士試験対策の話が続いていますので、ちょっと貿易実務検定の対策になるTipsの話もすることにしましょう。

ひじょうにたくさんある貿易用語の中で、「Free」という言葉が入っているものがいくつもあります。
例えば下のものです。

  • インコタームズのF類型の各条件
    -FAS(Free alongside ships)
    -FOB(Free on Board)
    -FCA(Free Carrier)
  • 保険条件
    -F.P.A.(Free from Particular Average)
  • 海上運賃の建てられ方
    -FI(Free in)
    -FO(Free out)
    -FIO(Free In & Out)

それぞれの用語に含まれている「Free」は同じ意味(意図)を示していると理解できれば、間違えずに覚えやすくなります。
自由とか無料という意味ではなく、ここでは「免れる」という意味で理解しましょう。
もっと言えば、「責任/義務がない(なくなる)」という意味のほうがわかりやすくなります。
それぞれについて、主語を含めて意味を考えれば下のとおりです。

  • インコタームズ
    輸出者は、××の地点/時点で責任がなくなる
  • 保険条件
    保険会社は、分損について補償する義務がない
  • 海上運賃の建て方
    船会社は、××の作業を行う義務がない

インコタームズでの「輸出者は」の意味は、また別の機会の解説します。
保険条件についてはわかりやすいでしょう。
(ただし、F.P.A.では保険会社が分損を補償する義務がないとなっていますが、特定分損は補償されるわけですが。)
海上運賃の建てられ方については、Freeを「無料」という意味で考えようとすると「IN」と「OUT」の意味を逆に捉えて間違えやすいので、Freeは「責任/義務がない」という意味だとしっかりと覚えておくことが大切です。

通関士

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