地理の知識も身につけよう

IATAディプロマ試験は、なんでもかんでも覚えてこいというタイプの試験ではありません。
多くの問題は、IATAより送られてくる資料(OAG & TACT)を試験会場に持ち込んで、それを参照して解いていきます。
その点、IATAディプロマが日本の試験との違いだと言えるでしょう。

しかし、こと世界地理については、知識が多ければ多いほど有利になる試験でもあります。

例えば、2都市間で貨物運送における運賃計算問題です。
GCR、または、SCRが適用される貨物であるならば、都市名がわかればそれで解くことができます。
Tariff Rate Tableは出発都市名のアルファベット順に掲載されているからです。
しかし、Class Ratesが適用される貨物の場合、出発都市、到着都市両方について、その都市がある地域(IATA AreaやSub-Area)がわからなければいけません。
有名な都市ならばどこにあるかわかるでしょうが、IATAディプロマ試験では、日本人になじみの浅い都市で出題されることもあります。
なので、都市がどこにあるのかわからない場合には、探さなければいけません。
手順としては、こうです。
都市名がわかれば、Tariff Rate Tableにはその都市がある国がCountry Codeで示されています。
Country Codeがわかれば国名→ IATA Area → Sub-Area の順で調べることができます。

この通り、知らない都市で出題されてしまうと、「OAG & TACT」を何箇所も繰る必要があり、手間・時間がかかります。しかし、その都市がどの国のものかがわかる、その位置もだいたいわかる、ということであれば、IATA Areaは簡単にわかりますし、せいぜいSub-Areaを「確認」すればいいぐらいになります。
IATAディプロマ試験は3時間(180分)で100問を解かなければならない試験です。
少しでも時間を節約できるなら、その分有利になるということがわかるでしょう。

もっとやっかいなのは、時差計算や国別運送規則のように「国・地域名」が判らなければ解けない問題なのに、問題には都市名しか出ていない場合です。
※国名がある場合と、ない場合があるので、どちらかといえば出題者が国名を記載し忘れたケアレスミスに近いものだと思いますが。こういう問題で都市名がわからない場合の解法は2つです。
1つは、英語辞書(これは持込可能です)で都市名を引き、そこに国名が出ているならばラッキー、というもの。
もう1つは、「OAG & TACT」の中の、Flight Schedule、Tariff Rate Tableなど都市名が出ている項に、探す都市が出ていればラッキー、というものです。
どちらも、手間・時間がかかりますし、そもそも記載があるのかどうか確実性がないという大きな欠点があります。
このことからも、世界地理の知識があると有利になるということがわかるでしょう。

世界地理、とくに世界各地の都市を覚えるのは興味がないと骨が折れることかもしれません。
地理をテーマにしたゲームでもやるのはいかがでしょうか。
このゲームなどお勧めですよ(ハマりすぎに注意)
【トラベラーIQ】 http://www.tripadvisor.jp/TIQGame