為替予約票の記載項目

貿易実務検定B級試験の問題3、いわゆる書類の問題に為替予約票(為替予約スリップ、Exchange Contract Slip)に関するものがあります。
現実には、いまどきの貿易を恒常的にする会社では取引銀行の提供しているウェブ・サービスを使っていることが多いのですが、検定試験では書類の形式で出題されます。
また、書類の書式も銀行によって違いがあるのですが、ここでは、検定試験で出題される書式に則った形でお話しします。

為替予約票は記載項目が少ないので、出題される内容もほぼ下の3パターンになります。

  • 売予約、買予約それぞれで、「Bought from」、「Sold to」の後ろに記載される当事者はどちらか。
  • 適用されるレート種類は、「T.T.B.」なのか、「T.T.S.」なのか。
  • 受渡期日はいつになるのか。

このうち、1つ目と2つ目について、「どっちになるのか」と迷うことがあります。

まず、知っていてほしいのが、為替予約票には輸出者用と輸入者用の2つの書式があるということです。
まず大きな違いは、上部の「Bought from」と「Sold to」の順番で、下のとおりとなっています。

  • 輸出者用
    「Bought from」が上で、後ろには輸出者名
    「Sold to」が下で、後ろには銀行名
  • 輸入者用
    「Sold to」が上で、後ろには輸入者名
    「Bought from」が下で、後ろには銀行名

見てのとおり、どちらであっても輸出者/輸入者が上で、銀行が下になっています。
これは、銀行から見て輸出者/輸入者はお客様だから上に記載しているのだと思います。

ちなみに、為替予約票下部のサイン(押印)欄で、輸出者/輸入者と銀行、それぞれ左右のどちらにサイン(押印)をするのかも決まっています。
輸出者/輸入者は左側ですし、銀行は右側になります。
これは、もしかしたら、演劇などの舞台の上手/下手を考えたとき、左側が上手、右側が下手と呼ぶことから来ているのかもしれません。
結果として、銀行のサイン欄の上には、輸出者用には「Buyer」、輸入者用には「Seller」と記載されています。

そして、輸出者/輸入者に適用されるレートの種類については、輸出者は「T.T.B.」、輸入者は「T.T.S.」となるわけで、これは単純に暗記できていればいいのですが、忘れがちです。

ここで、そういう時に思い出すといいテクニックがあります。
Bought from/Sold to欄で上側に来るのがお客様(輸出者/輸入者)であることだけ覚えて下さい。
すると、下の通りとなります。

  • 輸出者用
    上側にあるのは「Bought from」
    適用されるレートの種類は「T.T.B.」
    銀行のサイン欄の上にあるのは「Buyer」
  • 輸入者用
    上側にあるのは「Sold to」
    適用されるレートの種類は「T.T.S.」
    銀行のサイン欄の上にあるのは「Seller」

どうでしょう?
輸出者用では「B」がキーワードになっており、輸入者用では「S」がキーワードになっているのに気付きませんか?
検定協会で出題されるフォームでは、この3つが右下がりの斜め一直線でキーワードが並んでいて、これを私は「斜めの法則」と呼んでいます。
もし迷ったら、この法則を思い出してみて下さい。