第51回通関士試験の要項が発表されました

平成29年度(第51回)通関士試験の試験要項が発表されました。
例年なら7月1日に発表されるのですが、今年は土曜日だったため6月30日の発表でした。
試験要項は税関ホームページに掲載されています。

発表は早かったからというわけではないですが、今年の試験は10月の第一日曜日が10月1日ですので、試験日はその日、つまり、考えられる限り最早の試験日ということになります。

さて、昨年の試験要項と見比べて出題数を確認すると、こちらに変更はありません。

・通関業法 合計45点
  選択式 35点(10問)
  択一式 10点(10問)
・関税法、関税定率法など 合計60点
  選択式 45点(15問)
  択一式 15点(15問)
・通関実務 40点
  通関書類の作成要領
   選択式・計算式 20点(2問)
   ※輸出申告、輸入申告各1問とされています。
  その他通関手続の実務
   選択式 10点(5問)
   択一式  5点(5問)
   計算式 10点(5問)
また、昨年より通関実務の試験時間が10分伸びて100分になりましたが、これは今年も同様です。
試験時間はしばらくこれがデフォルトに、つまり、試験難易度も昨年レベルが基本になると考えてよいでしょう。
今回の試験で特筆すべきは、試験範囲となる法令についてです。
例年どおりであれば、「7月1日現在で施行されているもの」ですが、今年に限っては「平成29年7月1日(土)までに公布・公表されているもののうち、同年10月8日(日)現在で施行・実施されているもの」となっている点です。
(もちろん、法律だけでなく、政令、省令、通達まで含みます。)
これは昨年の通関士試験(第50回)の合格発表の時点で、第51回試験について「輸出入申告官署の自由化及び通関業制度の見直しが反映された条文を出題範囲とする予定」とされていましたので、予想されていたことではあります。
そもそも、この点は昨年度の法改正によるもので、施行が遅れていただけのものです。
各社のテキストでも、反映されていますので、この点については、学習することに問題はないでしょう。
一方、予想されていなかったのが、今年4月24日に公布された「関税法基本通達等の一部改正について」という、各法令に係る通達の変更分です。
関税法基本通達等の一部改正について(平成29年4月24日財関第570号)
これには「平成 29 年 10 月8日から実施することとした」と書かれていますので、例年どおり試験範囲が「7月1日現在で施行・実施されているもの」となっていたならば、対象外になるものです。
しかし、本年度試験は上記の通り「平成29年7月1日(土)までに公布・公表されているもののうち、同年10月8日(日)現在で施行・実施されているもの」ですから、これに該当することになります。
改正内容の多くが、輸出入申告官署の自由化に伴う細かいルールに関する改正ですが、中には、新聞にも出ました「通関士の在宅勤務が可になったこと(通関業法基本通達8-1)」も含まれています。
通達は細かい内容が多く、追いかけると収拾がつかなくなってしまいますが、ざっと目を通して「これはけっこう大きい改正だ」と思う部分はチェックしておいたほうがいいでしょう。