12月7日(金)に第52回(平成30年度)の通関士試験の合格発表がありました。

合格された方、おめでとうございます。
税関より合格証書が送られ、手に取られたことでしょう。

第52回通関士試験の合格率は14.6%です。
昨年度の合格率が21.3%でしたから、相当に合格率が下がった、つまり、難易度が高くなったといわれています。
しかし、難易度の評価のためには、これを額面通りに受け取るわけにいきません。
昨年度は突出して難易度が低かったと言われていますし、この合格率には科目免除を受けての合格者も含みますので、通関士試験の真の難易度を図るには、科目免除者を除いた受験者と合格者を見なければならないためです。

ところが、例年のことですが、税関発表では、全科目受験者、科目免除者それぞれの内訳は出ていません。
そこで、今年も合格者の受験番号を数えることによって算出してみましょう。

通関士試験の受験番号には1000番台、2000番台、3000番台以降と区別があります。
1000番台は2科目免除者、2000番台は1科目免除者、3000番台以降は全科目受験者を意味します。
合格発表は税関ごとですが、このルールは変わらないので、それぞれの数字をカウントすれば区分別に合格者数がわかります。

これを見ると、第52回では下のとおりとなります。
区分 / 受験者数 / 合格者数 / 合格率 の順で示します。
・試験全体 / 6,218名 / 905名 / 14.6%
・全科目受験 / 5,481名 / 1,193名 / 12.4%
・1科目免除 / 607名 / 135名 / 22.2%
・2科目免除  /  130名 / 88名 /67.7%

一方、前年度(51回)の場合は下のとおりです。
・試験全体 / 6,535名 / 1,392名 / 21.3%
・全科目受験 / 5,761名 / 1,193名 / 20.7%
・1科目免除 / 650名 / 88名 / 13.5%
・2科目免除  /  124名 / 111名 /89.5%

また、一昨年度(50回)の場合は下のとおりです。
・試験全体 / 6,997名 / 688名 / 9.8%
・全科目受験 / 6,131名 / 439名 / 7.2%
・1科目免除 / 660名 / 94名 / 14.2%
・2科目免除  /  206名 / 155名 / 75.2%

※いずれも、私が手で数えましたので、多少の誤差はご容赦願います。

これを見ると、科目免除のある/なしに関わらず、合格率低下が等しく起こったということがわかります。
難易度は一昨年レベルより少し優しいレベルだった、また、昨年は突出して難易度が低かったと言えるでしょう。

興味深いのは、一昨年と比べて、全科目受験者と1科目免除者は合格率は全体の合格率の上昇と合わせて上がっていますが、2科目免除者の合格率が下がっているということ。
1科目免除者は通関実務が、2科目免除者は関税法等と通関実務が免除されます。
つまり、2科目免除者の受験科目は通関業法だけなわけですが、2科目免除者の合格率が下がったということは、通関業法の科目の難易度は上がったと言えるでしょう。
もっとも、2科目免除者は受験者数も合格者数も少ないので、誤差の範囲と言えるかもしれません。

昨年は、近年のEPA締結数の増加によって通関士の役割が低下する可能性がある、そのため、今後の通関士試験は(昨年度レベルの)低い難易度となるという予想もありましたが、今年度試験で、そのようなことにはならないと示されました。
来年度受験される方は、心を引き締めて早目の準備を始めた方がいいでしょう。