貿易に関する新しい検定試験が始まります

貿易分野には様々な資格試験や検定試験があります。
資格としては、国家資格である通関士、国際資格であるIATA Diploma(国際航空貨物取扱士)があり、この資格を持った人がないと会社は特定の業務が行えないものです。
検定は基本的には知識やスキルを問うもので、これらの検定を合格していなくとも業務はできますが、一定の知識を持っていることで就職や転職の際に有利になりますし、そもそも学ぶための動機付けになります。

そういった検定試験に、来年2月より新しいものが加わります。
おなじみの日本貿易実務検定を実施している貿易実務検定協会が行う、「EPAビジネス実務検定」です。

EPA(経済連携協定)は、今や日本だけでなく世界の国際ビジネスにおいて、考慮にいれざるを得ない要素です。
単純な日本への輸入、日本からの輸出における関税低減効果だけでなく、国際的な垂直分業、水平分業による累積原産地制度を活用することで競争力強化を図ることができる効果もあります。
もっと大きな観点でいえば、自社拠点を世界のどこに置くのがでビジネス効率も変わります。
その一方で、複雑に重なっている日本のEPA網の比較、原産地規則の理解や書類作成など、活用には知識とスキルが必要となります。

新しくできる「EPAビジネス実務検定」はこの知識とスキルを図るものとされています。
現在予定されている(公表されている)のは、下の2レベルです。
 ・アドバンスト(B級):業務運営ができるレベル
 ・ベーシック(C級):定型業務ができるレベル
また、現時点での実施予定日は下のとおりです。
 ・2020年2月2日(日) C級
 ・2020年5月17日(日) B級、C級

昨年12月にTPP11(CPTPP)が、今年2月に日EU・EPAが発効し、また、日本と米国との間でも日米物品貿易協定(TAG)が締結されようとしているこの日本の国際ビジネス環境下において、EPAについて知識を深めることは大いに意味があります。
そのための学習目標としてこの検定を活用するのもよいのではないかと思います。