同じコンセプトで積み上げてきた功績

忙中閑あり。
どこの授業もなく空いた今日、デザイン・クリエイティブセンター神戸KIITO(旧 神戸市立生糸検査所)で面白い展示会が開催されていると聞き、行ってきた。
その展示会は「iichiko design展」。
http://iichiko.co.jp/event/poster_ex/
有名な大分の麦焼酎「いいちこ」(三和酒類株式会社)の宣伝ポスターを一斉にパネル展示しているもの。

入口看板iichiko(あえてアルファベット表記したくなる)のポスターといえば、多くの人が「ああ、あれね!」と思いつくことだろうと思う。
風景写真のさりげなく一本だけiichikoの瓶がおかれ、「iichiko」の文字と、添え書きのように一言だけ書かれているシンプルなもの。
焼酎の宣伝ポスターのはずなのに、なんの宣伝文句もなくなんだかオシャレというアレだ。
30年近くずっとこのコンセプトでやっているそう。

各パネルに撮影場所が書かれていたが、世界各地にあの瓶が置かれ、かつ溶け込んでいる様子は見てて楽しかった。
「行って直に見たい!」と思った風景も数知れず。
どうしてこの風景を選んだのかなどといった説明書きは全くないので、撮影に至ったバックグラウンドをあれこれ想像してみたり。
30年も同じコンセプトでやっていると、「いいちこ」と言ったら「iichiko」、「iichiko」といったら「あんなポスター」としっかりブランディングされている。
私なんかは、新しいポスターが出るたびに「お!」と思って見るが、そういう人も多いだろう。
まさに積み上げてきた功績によって強く認知されているということだと思う。

ちなみに、この展示会が他のアート系のそれと大きく違うのは、会場内にCMソングがエンドレスで流れ続けていること。
雰囲気が壊れることなく、むしろ、雰囲気を高めているのは間違いないのだが、帰った今でも私の頭の中では、ビリーバンバンの「これが恋というのなら」と、坂本冬美
の「片想いでいい」の2曲がずっとリフレイン中(笑)。

来場者アンケートに答えると、ちょっとしたゲームがあって、かなり分厚い冊子「iichiko design 2016」をもらえた。
全ページカラーで、これまでのポスターがすべて収録されている圧巻の内容。
ちょっと重いが大満足。

会期は今週の日曜日までだが、「あのポスター」がイメージできる人ならば、行って損はないと思う。
あ、いいちこそのものは飲めませんので!

会場内

会場内2

デザイン集