「町屋文楽」を見に行った

土曜日は大阪くらしの今昔館(天六)で開催された「町屋文楽」を見に行った。
このイベントは、大阪市や文楽協会が、大阪で生まれた古典芸能である文楽についてしってもらうために行っている「ムムム!! 文楽シリーズ(http://www.mumumu-bunraku.jp/)」の一環で、入館料は必要なものの、文楽は無料。

今回の演目は世話物「艶姿女舞衣(あですがたおんなまいぎぬ)」酒屋の段。
残念ながらほんのさわり「お園のクドキ」部分だけ。
まあ、文楽にせよ歌舞伎にせよ、古典芸能は「観覧者がストーリーを知っている」ことが前提なので、こういう「雰囲気を知ってもらおう」というイベント事ではしょうがないのかも。
しかし、お園の人形が情感たっぷりにクドキ(心情)を表している様子は凄い。

舞台の後は、人形遣いと義太夫節の解説と体験。
私は義太夫節体験に参加したが、太夫がいかに声音を使い分けているか、三味線がいかに音だけで情景を表しているのかの解説に深く感心した。
ちなみに太夫さんが言うことには「さわり」という言葉、「ストーリーなどの最初の部分」のことと勘違いしている人が多いが、本当の意味は「一番の見せ所、聞かせ所」のことで、だから、本演目の「さわり」は「お園のクドキ」の部分をいうのだと。

人形浄瑠璃から発展した文楽は大阪発祥で、今から100年前の大大阪時代の人口220万人に対して、素人浄瑠璃(文楽)人口が5万人もいたとのこと。
(中には、美人の女太夫のところに習いに行くのが目的の旦那衆もいたそうだが。)
そういった文楽文化の復権を目指すのがこの「ムムム!! 文楽シリーズ」の目的だそう。
来年は、だいたいのあらすじは知っているという人が多いだろう演目(壇ノ浦兜軍記や義経千本桜)が続くようなので、入口として見に行くのはいかが?

義太夫節講座の舞台。左がお園の人形
義太夫節講座の様子。左:太夫の竹本織太夫さん、右:三味線の鶴澤清志郎さん