春の霊仙山へ!

天気の良い今日は、滋賀県の霊仙山へ登頂に。
霊仙山は鈴鹿山系最北の山で、標高は1,094mと低い。
しかし、山頂付近は石灰岩質のため木々が生えておらず、開けた展望の中、気持ちのいい稜線歩きができる山、また、花の百名山としてよく登山ガイドで紹介されている。

名神高速の米原ICからほど近い榑ヶ畑(標高約430m)から8:15分に登頂開始。
上記の理由で人気の山なので、登山口の駐車場はもう満杯だった。
「熊出没注意」の看板に本当にいるの?とは思いながら、少しビビる。
クマ鈴を付けているハイカーも結構いたので、いるにはいるのかもしれない。

石垣のみが残る廃村跡を通り、山小屋かなやを過ぎると、木が生い茂る山道に入る。
ほどなく2合目の汗拭峠に出るが、ここから先は急に風景が変わり、見通しが良く明るいブナ林の中を歩く。
坂は少し急ではあるものの、おニューのトレッキングポール(二本セットで2,000円(笑))で機嫌よく登っていく。
ところが、晴天のはずであった天気がどんよりと曇ってきて、山頂付近は雲や霧に覆われているようで、稜線歩きのコンディションとしては一気に不穏な感じに。
5合目近江見晴らし台でも、近いはずの琵琶湖すら見えず、山道が見えないぐらいになったなら下山すればいいかと覚悟を決める。

6合目あたりからは坂も緩やか、木々も無くなり、石灰岩の岩塊がゴロゴロする不思議な風景が広がり、7合目猿岩から先はなだらかな稜線歩きとなる。
霧が下から流れ込んできてどんどん濃くなり、50m先の人すらぼんやりという状態になるが、まだ道が見えないというほどではないので進んでいく。
ここの石灰岩質の山稜の風景は山口県の秋吉台や、愛媛の四国カルストを思い浮かべてくれればイメージできると思う。
風雨にさらされて、それぞれの岩が描く滑らかなカーブは人が磨いたかのように見える。
そんな中、こんな山の上(8合目)なのにお虎ヶ池という小さな池(霊仙神社のご神体?)があったり、たかだか1000m級の山なのにまだ雪渓とまでは言わないが、雪塊が残っているところが何か所もあり、かなりバラエティーに富んでいる。

9号目の経塚山(1,040m)を経て、霊仙山山頂に到着したのは10:30。
霧は薄くなっていたものの、本来なら360度の展望が広がるはずが何も見えず。
天気が良ければ、琵琶湖から鈴鹿山系や伊吹山、場合によっては日本アルプスまで見えるらしいのに・・・
また、風も少し冷たいので二等三角点に「でん」をついて、お昼も食べずに元の道を下山する。
ところが、経塚山付近に戻ったところで霧が晴れ、また、日も出てきて、一気に明るい稜線が見えるように!
春霞や雲もあって遠景は見えないものの、この近辺の広々とした見事な稜線はよく見えるようになった。
これは天気がいい、また、景色もきれいに見える日に歩いたらさぞかし気持ちがいいに違いない。
秋は中腹のブナ林が紅葉するので、その時期にまた来るのもいいだろう。

今回はピストン山行なので、元の道を通って、榑ヶ畑に戻ったのは13:15。
約5時間という時間も、それほど急でない傾斜も、危険な場所もないことも含めて登山初心者にちょうどいいルートだと思う。
ちなみに、「霊仙山」と検索をかけると2語目の候補の上位に「ヤマビル」と出てくる。
鈴鹿山系は夏季はヤマビル(山蛭)が多く出没することでも知られているが、その中でも出没が多いとして知られているのがこの霊仙山(とくに榑ヶ畑から汗拭峠まで)らしい。
なので、私も今回はヤマビル忌避剤「ヤマビルファイター」をそこかしこに塗布して臨んだのだが、まだ季節ではないのか、また、乾燥しているからか一匹も見ることはなかった。
5月下旬から10月頃までに登る方はご注意を。

榑ヶ畑(元)集落の最奥部にある、山小屋かなや。
営業していない様子。
2合目となる汗拭峠。
クマ出没注意の看板が!
落合方面は別ルートだが、現在通行止めになっている。
7号目以降の稜線。
見てのとおりのカルスト地形だが、霧のせいで先が見通せない。
8合目のお虎ヶ池。
経塚山の山頂。
見てのとおり雲だか霧だかで周辺は真っ白で眺望ゼロ。
登頂記念に1枚。
山頂付近に残っていた雪塊。
ちょっとアルプス気分で乗ってみる。
霧が晴れて遠望できるようになった山頂付近。

晴れ間が出てきれいに見えるようになった稜線一帯。