2020年秋登山 その2~石鎚山~

10月中旬、石鎚山(愛媛県)の山頂で紅葉が見ごろというので、登りに行った。
石鎚山は日本百名山の1つにして、標高1,982mは西日本最高峰。
(加賀の白山以西には2,000mを超える山はない。)
山頂には石鎚神社山頂社があり、日本七霊山の1つとして修験道の山でもある。
今回の登山中にも白装束の修験者を何度も見た。
また、一の鎖から三の鎖まで3ヶ所、試しの鎖を入れると4ヵ所の長い鎖場があることでも有名だ。
 
実はここにはジェトロ愛媛駐在時に登ったことがある。
しかし、山頂社がある弥山(標高1,974 m)には着いたものの、最高地点である天狗岳には立たなかったので、宿題を残しているような状態。
よって今回は約20年ぶりのリベンジでもある。
石鎚山登山の一般的なルートとしては土小屋ルートと成就社ルートの2つがある。
前回は自動車で登山口まで行く土小屋ルートだったが、今回はロープウェーで標高1,300mまで上がる成就社ルート。
こう聞くと楽な道を選んだように見えるが、土小屋ルートの登山口は標高1,500m、成就社ルートでは結構な登り返し(小ピークを2つ越える)もあるので、こっちの方が大変だったりする。
なお、石鎚登山ロープウェーの運賃の支払いにはGotoトラベルの地域クーポンが利用できるので今はお得。
 
当日、ほぼ始発7時半過ぎのロープウェーに乗るつもりだったが、紅葉が盛りということは誰もがわかっているので山麓駅には順番待ちの長い列が。
そのロープウェーで上がって成就社で安全な登山を祈願して登り始めることができたのはもう9時になろうとする頃だった。
多くの人、それも初心者でも登る山なので道は十分に整備されているので、良い天気の下で快調に歩くことができた。
登山道を上がっていくにしたがって、登山道の周りの樹々に紅葉の色が濃くなってきた。
 
そして11時過ぎ、いよいよ核心部である山頂直下、岩肌にかかる長い鎖場に。
前回はここの一の鎖(33m)、二の鎖(65m)を上がったし、今回は三の鎖(67m)上がるつもりだったが前日にけっこう降った雨のせいで岩肌、そして、落葉が濡れそぼっておりツルツル滑る。
これは危険と判断して断念して、残念ながら迂回路をとることにした。
他の人もそう判断したのか、普通ならハイシーズンには登る人で数珠繋ぎになるらしい鎖場にはあまり人がかかっておらず、迂回路の方が蟻の行列に。
 
そうして弥山の山頂社に到着したのは12時半。
ちょうどお昼どきというのもあってか、人の多いこと多いこと!
山頂表示板で記念写真を撮るにもなかなか場所が確保できないほどの「密」状態。
ただ、晴天なので周囲の景色は素晴らしく、北に瀬戸内海、東に同じ石鎚山系の瓶ヶ森が綺麗な形を見せていただけでなく、西には松山の街、南には土佐湾まで遠望することができた。
もっと空気が澄んでいれば伯耆大山や九重連山まで見えるそうだ。
さすが西日本最高峰!
 
で、肝心の紅葉はというと・・・残念ながら山頂付近は一週間前の週末が最盛期だったらしくもう終わりかけていて、よく写真で見る石鎚山・天狗岳の紅葉風景ではなかった。
やはり紅葉は「あそこが最盛期だよ!」と聞いてから行っては間に合わないよなぁと痛感する。
ではもう1つの目的である最高峰・天狗岳への登頂はというと、そもそも天狗岳山頂は狭いために何人も居ることができないのと、そこに至る岩場の道がすれ違いが難しいほど狭いために、そこに入るところで順番待ちの列が。
小耳に挟んだところ30分待ちかもしれないというので、さすがにそこまで待ってはいられないと諦めた。
ほんの8m上、200m先なのに残念!
 
元来た道を戻り、ロープウェー駅に着いたのが15:00。
登りが3.5時間、下りが2時間って、どうも私は下りが下手でいかんなぁ。
 
ということで、3つの鎖場制覇、盛りの紅葉、天狗岳への登頂のいずれも達成できなかった少し締まりのない登山になってしまった。
とくに山頂とされる弥山には着いたが、最高峰である天狗岳には立ってないということで、これは「登頂すれども制覇せず」の状態と言ってもいいだろう。
これはまた宿題を残してしまった、また来いと石鎚山が言っているということなんだろうなと思いながら帰路についた。
 
帰りによった石鎚山SA(ハイウェイオアシス)にある温泉施設「椿の湯」が大変気持ちようございました。

登山開始地点となる成就社

試しの鎖。ここは元々登る必要がないため、あまり挑む人がいなかった。

一の鎖。濡れた岩肌と落ち葉で滑るので登るのを断念。

二の鎖手前より成就社方面。山肌の紅葉が綺麗。

弥山山頂から天狗岳を望む。紅葉の盛りが終わっていて残念。