秋遊び その6-紅葉の那須岳(10月16日)

紅葉登山もう一丁!ということで、今度は栃木の那須岳に。
ここは日本百名山の1つだが、秋田駒ケ岳同様、ここも「那須岳」という単独の山はなく、那須連山の総称としてそう呼ばれている。
連山のうち主峰とされているのは、標高1,915mの茶臼岳。
今回はそこに登った。
茶臼岳は活火山なので、9合目あたりから上は樹木の生えない荒涼としたガレ地で、おまけに、一部では噴煙が上がっている。
しかし、山肌の紅葉は見事なので、紅葉登山に人気。
 
そのため、ロープウェイが混雑することも考えて、前泊の那須塩原駅前のビジネスホテルを朝早くに出て、始発のバスに乗る。
実はこの茶臼山のロープウェイ、9合目(標高1,689m地点)までロ運んでくれるので、単に登頂するだけなら楽々登山ができる。
もちろん、それでは面白くないし歩き足りないので、寄り道するわけだが。
 
ロープウェイ山麓駅では曇り空で、「せっかく関西から来たのに」と心配だったが、山頂駅は雲の上で晴天となっていた。
斜面から見下ろすと広がる大雲海は、そのまま雲の中に飛び込んでいけそうなほど濃密なふわふわ感だった。
 
8:15頃に登頂開始。
山頂に直登するルートをとらず、9合目山肌をほぼ半分ぐるっと巻いて歩くが、山側はガレ場、谷側は紅葉という境界線上にあるのが面白い。
30分ほど歩いて着く牛ヶ首(標高1,733m)という分岐点から、絶景の紅葉を求めての寄り道、姥ヶ平(標高1,590m)まで下る。
ここからの風景が、紅葉&茶臼岳&噴煙のセットでとても素晴らしいのだ。
おまけに、風のない日なら、そこにあるひょうたん池の水面に映る「逆さ茶臼岳」を見ることができる。
再び牛ヶ首まで登り返しをするとしても、絶対行くべき場所とのことだ。
ひょうたん池への木道はハイカーの渋滞列ができていたものの、聞いた通りの壮大な紅葉の茶臼岳だった。
 
「錦秋」と呼ぶにふさわしい景色をしばし堪能した後は、今度は山頂を極めるために登山再開。
「無間地獄」と名付けられている噴気エリアを抜け、ロープウェイ側とは真逆の登り口から、まあまあの急坂を直登する。
うっすらと硫黄臭が漂うガレ場をえっちらおっちらと。
茶臼岳は下から見るとてっぺんが平らに見えるが、中心部は火口跡がお鉢になっているので、実際の山頂部はかなり狭い。
小規模なお鉢巡りをして、12:00に山頂到着!
 
山頂部が狭いうえに、好天の紅葉時期であるのもあって、大勢の人でごった返しており、昼食を摂るのもままならなないほど。
かろうじて三角点を踏み、山頂標識の写真を撮ることはできたが、長居はできずに下山することになった。
360度の景色は素晴らしかったけれどね。
 
これも山肌が紅葉に染まる隣の山、剣が峰、朝日岳を横目に見ながら(なかなか雲がどいてくれなかったが)ロープウェイ駅まで戻った。
最後まで雲海が残ってくれていて、晴れているのにまったく下界が見えないという印象的な登山であった。
 
下山後は那須湯本温泉に。
九尾の狐(玉藻前)が封じられたという殺生石(ニュースで見た通り、まっぷたつに割れていた)を見て、濃ゆ~い温泉につかって今回の山行は終了。
 
いやあ、この景色はまた見に来たい。
今度は、反対側にある、満室で予約が取れなかった山小屋、三斗小屋温泉の方から登ってみたいなあ。
あと、那須連山の最高峰は主峰の茶臼岳ではなく、少し先にあって2mだけ高い三本槍岳。
時間がなくて今回は行けなかったが、いつかチャレンジしたいなあ。
ロープウェイ駅近くから、山頂方向を望む。

ロープウェイ駅近くから、山頂方向を望む。

ずっと先まで雲海が広がる。

ずっと先まで雲海が広がる。

紅葉はちょうど真っ盛り。

紅葉はちょうど真っ盛り。

姥ヶ平ひょうたん池からの「紅葉の逆さ茶臼岳」。

姥ヶ平ひょうたん池からの「紅葉の逆さ茶臼岳」。

茶臼岳山頂

茶臼岳山頂

それほど深くないけどお鉢。お鉢巡りができるのに向こう側にも歩いている人。

それほど深くないけどお鉢。お鉢巡りができるので向こう側にも歩いている人。

お鉢から剣が峰、朝日岳の紅葉

お鉢から剣が峰、朝日岳の紅葉