熊による被害が増加している理由(噂)
私は山登りを趣味としているので、山域に熊がぽんぽん出てくるととても困る。
今年は東北方面の紅葉登山をやめたぐらいだ。
そんな中、出張で行った秋田で聞いた、地元でささやかれている「最近の熊が人を襲うようになった」理由。
そもそも地元では「ツキノワグマは人を怖がる。人里には滅多に出てこないし、不幸な遭遇でもなければ襲われない」と言われていたそうだ。
しかしここ数年はそういう「常識」が通用しなくなってきていて「熊の性質」が変わってきてると感じているとのこと。
で、その理由として考えられるのが、かつて八幡平(秋田と岩手の県境にある景勝地)にあった「秋田八幡平クマ牧場」。
ここで2012年に起こった事件・事故がその原因だと。
このクマ牧場、事件以前から管理がずさんで問題があったところだそうで、(赤字続きだったために)建物の修理を怠ったり、餌を十分に与えずに熊が痩せ細ったりしていたとのこと。
そんな中起こった事件・事故は、冬期に除雪した雪を熊の運動場に投棄したため、壁際が雪山のようになり、飼われていた熊がここから外へ逃亡したというもの。
その際に女性飼育員2名が死亡したため、牧場は休園、そのまま、閉園となったという。
問題はこの際に逃げた熊で、中にはヒグマもいたこと。
園は逃亡した熊は全頭射殺したとしたが、なにせ管理がいい加減だったこともあり、本当に全頭射殺を確認したのか、そもそもちゃんと頭数を把握できていたのか疑われている。
近年の人を怖がらず人を襲うようになっている熊は、このとき逃亡したヒグマが元からいるツキノワグマと交雑したものではないかというのが秋田の人の見立てだそうだ。
地元の人は「ハイブリッド」と呼ぶそうで、性質だけでなく、ツキノワグマにしては大きすぎるというのもその理由だそうだ。
おまけにそれが次第に南下していってるのではないかと。
秋田、岩手はもとより、山形や新潟で起こった被害はハイブリッドの繁殖域が広がっているせいではないかという話もあった。
さらに強いハイブリッドに追い出されて、従来のツキノワグマが里に町に下りてきているのだと。
熊の駆除は自然の生態系を壊す可能性があるので、慎重に行わなければならないが、この「ハイブリッド」は人為的と言ってもいい過程で生まれたそれ自体が生態系の破壊といっても過言ではない。
あくまでもこれは、地元で流れている噂だが、遺伝子調査などを行って、これが事実であるならば早急なハイブリッド全頭駆除が必要なのかもしれない。

