30年以上ぶりの香港旅行 4日目(最終日)

香港4日目にして最終日。
帰りの便は15時40分発と少し遅目の便。
遅い便にしたのは、ネットに「香港国際空港には航空探知館という航空博物館がある」という記事を見たから。
無料だそうだし、これは行かねば、と。
しかし、朝に場所などを確認しようと改めて調べたところ、第2ターミナル工事のため閉館しているとのこと。
なんですとー!
ネットの記事は日付を見て最新情報かどうか確かめなきゃいかんなぁと痛感した次第。
 
ということで予定が狂ったわけだが、出国手続きが混雑しているかもしれないので空港には早めに着いておいた方がいい。
実質的に観光できるのは午前中。
さてどこに行こうかとガイド・ブックを見たところ、宿のすぐ近くに「湾仔玉虚宮(北帝廟)」という古い廟があることに気付き、まあ朝食がてらの朝散歩に行くかとプラっと。
法定古跡であるこの廟は1863年創建ということだから清の時代だが、中に安置されている北帝銅像はもっと古く400年以上前のものだとのこと。
敷地内には南方らしい樹木も生えていて大都会の香港とは真逆の様相。
廟で祀られている北帝(玄天上帝)は北方の守護神にして水神・海神だが、それ以外にも関帝(三国志でおなじみの関羽)、天后なども祀られており、民間信仰の篤い廟のようだった。
 
チェックアウトをしに宿に戻る途中に気付いたのだけれど、この界隈はなんだかカラフルな建物が多い。
香港故事館がある青づくめの建物「藍屋(Blue House)」はガイドブックに載っているので気づいていたが、その周りにも黄色や橙色、緑色の建物が群れている。
香港の名物建築物群らしく、どうやら知らない間に観光をしていたらしい(笑)
 
さて、チェックアウトも済ませてしまうと荷物もあって動きづらくなる。
そこで2日目の夕食時に教えてもらったスポット、香港上海銀行(HSBC)の本店ビルに行くことにした。
香港島の中環にある本店は古くからの世界的大銀行ではあるが48階建ての巨大な近代的ビル。
1階(英国風に言えばGF:グランド・フロア)は大きくあけ放たれ、かつ、上層階まで吹き抜けになっている。
これは、このビルが「気」の通り道である龍脈の上に建っているとのことで、その気の流れを止めないようにするため、つまり、風水に則った考えであるとのこと。
聞いたところによると、香港ではここ以外にも妙な形をしたビル、真ん中に大穴が空いているビルを見ることがあるが、ほとんどがこういった風水的な考えによるものだとか。
さすが香港。
本店ビルの前には2頭の獅子像があるが、これが花を撫でると運気があがるという観光スポット。
片方(Stephenと呼ばれている)が運気を吸い込むために口を開け、片方(Stittと呼ばれている)が運気を逃さないように口を閉じている、いわゆる阿吽の形。
このあたりも風水思想かと。
帰国後の運気上昇を願って、両方をなでなでする。
撫でながら気付いたのが、両像の身体には沢山の傷があったり、穴が開いていたりする。
調べたところ、1941年の太平洋戦争開戦初頭、香港を占領しようと攻めてきた(大陸側から)日本軍と、香港を守備していた英国軍との間の戦闘の際についた弾痕だそうだ。
あえて修復せずに、銀行の歴史的シンボル、また、戦争の記憶を伝えるものとして保存されているとのこと。
近代的なビルなのに色々と奥が深い建物であった。
 
このあたりでタイムアップ。
地元スーパーでお土産(日本では売られていない香港独自フレーバーの「出前一丁」数種類)を買いつつ、空港へ、そして帰路についたのであった。
 
今回の香港旅行で思ったのは「30年以上前に来たときに比べて、ずいぶん小ぎれいになったな」ということ。
表通りの道路にはあまりゴミが落ちてないし(下手したら日本の方がゴミが多い)、怪しげなお店もずいぶん少なくなったような気がする。
九龍・旺角の女人街もたしかに通り一杯に露店が立ち並ぶ様子は同じなのだが、ニセモノ臭い怪しさはあまり感じなかった。
香港には「電脳城」とか「電脳中心」という名前がついているPCやIT系の店が集まっているビルがいくつもある。
ガイドブックには「安いがニセモノに注意!」などと書かれており、たしかに前の来た時は怪しげなPCガジェットや、ファミコン版「ストリートファイター2」(スーパーファミコン版ではなく)なんていう、逆に凄いもの(マリオが昇竜拳を打つんだもん)もあったりした。
しかし、今やそんなビルにあまり客がいないし、売っているものも日本でも売ってる普通のメーカーもの。
なんだか大人しくなっちゃったなー、と。
その代わり、ヲタク的なサブカル品を扱うビルは歩くのも大変なぐらいの大混雑。
(なぜか「ちいかわ」が大人気な様子)
日本でも、秋葉原も日本橋もPCやIT系よりもサブカル系の店の方が幅を利かせるようになってるし、時代というものなのかもしれんね。
もしかしたら、もう少し奥の通りに行けば、ディープな世界は残っているのかもしれないけど。
 
こんな感じで終わった3泊4日、来る前に行こうと思っていたスポットで行けなかったところが沢山。
もっと見て回りたい街中もあったけど時間が足りず、食べようと思っていたものも食事回数が足りず。
それほど旅費も高くなかったし、また行かなきゃな―。

<番外編に続く>
 

街中にぽっかりと、湾仔玉虚宮(北帝廟)

街中にぽっかりと、湾仔玉虚宮(北帝廟)

廟の本尊?というのか、四天王っぽい像もある。

廟の本尊?というのか、四天王っぽい像もある。

色とりどりの建物が並ぶエリア

色とりどりの建物が並ぶエリア

香港上海銀行本店の威容。

香港上海銀行本店の威容。

Stephen。鼻を撫でると運気が上がるとのことで、花の頭だけ撫でられすぎてテカテカ。

Stephen。鼻を撫でると運気が上がるとのことで、花の頭だけ撫でられすぎてテカテカ。

日本軍と英国軍の戦闘による弾痕

日本軍と英国軍の戦闘による弾痕

サブカルなお店は大賑わい、
アニメキャラのフィギュアやぬいぐるみを扱う店が多い。

サブカルなお店は大賑わい、 アニメキャラのフィギュアやぬいぐるみを扱う店が多い。