「グルジア」から「ジョージア」へ

日本でこれまで「グルジア」と呼ばれていた国は、今日より「ジョージア」と呼称されることになりました。
同国は黒海の東岸、トルコとロシアに挟まれたところにある、旧ソ連圏の国です。
といっても、政変があったというわけではなく、旧名がロシア語に由来するものだったものが、英語表記とするようになったものです。
これは同国からの要請によるもので、その経緯にはジョージアとロシアの間の軋轢(グルジア紛争)などがあるのですが、それは割愛。

「日本で」というのは、正式な日本語での国名表記は、外務省所管の「在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律」という法律で決まっているためです。
つまり、大使館や在外公館の名称には国名が入るので、それが日本政府として国名の正式名称を定めるものになっているという仕組みのようですね。

で、外務省所管の法律で「この国の名称を○○とします」と決めたからといって、それで日本の全ての法令についてもそれでOKということにはならないのが、面倒なところです。
各省庁所管の法令も、法律だけでなく、政令や省令、通達に至るまで改正をしなきゃいけません。
なので、貿易に関する部分だけでも、法令の一斉改正がありました。
関税暫定措置法施行令、輸出貿易管理令、輸入貿易管理令など、国名が列挙されている様々な法令を改正しなきゃいけないわけですね。
国名列挙の順はほとんどの場合、あいうえお順ですので、順番の入れ替えもあるわけです。

面白いのは、国名の後ろにつく「共和国」「諸島」までは外務省の法令と統一されてないようだということです。
なので、これを機にということなのか、グルジア→ジョージアの変更だけでなく、他の国でも外務省での呼称に統一すべく変更したものもあります。
例えば、本日改正のあった輸入貿易管理規則では、アゼルバイジャン共和国→アゼルバイジャン、クック諸島→クック などに変更されています。

このように、気付かないうちに国名が変わっているということがあることですね。
私も、キルギスタンがキルギスに変わったことに、けっこう長い間気付きませんでした。
ちなみに、次にありそうだと言われているのは、カザフスタン→カザフ の変更だそうです。
業務上、実務的には、それほど気にすることはありませんけれどね。(I)