航空運送で使う地理的コード その1

「NRT」「HND」「KIX」というと?
多くの方が「空港の記号!」と答えると思いますが、これは正解。
旅客、貨物運送を行う空港(Airport)には、民間航空会社の国際的業界団体である国際航空運送協会(IATA)より、アルファベット三文字のCodeが与えられています。
旅行や出張の時に空港で手荷物を預けると、この記号が掛かれた紙テープを巻きつけられるのでよく見ます。
航空運送の分野ではIATAが様々なコードを定めていますが、地理分野のCodeとしてはAirportに関するものだけでなく、国(Country)や都市(City)などもそれぞれCodeが割り振られています。

空港に関するCodeですが、ある都市に空港が1つしかない場合には、City Code=Airport Codeになります。
例えば、福岡には福岡空港しかありませんので「FUK」がCity Codeでもあり、Airport Codeになります。
一方、東京には羽田空港(東京国際空港)と成田空港(成田国際空港)がありますので、City Codeは「TYO」ですが、Airport Codeとしては羽田空港には「HND」、成田空港には「NRT」が割り振られています。
※成田空港は千葉にありますが、IATAのルールでは東京扱いです。また、以前は新東京国際空港という名称でしたが、2004年より「成田国際空港」が正式名称となっています。

なお、北海道・札幌の玄関口である新千歳空港のAirport Codeは「CTS」で、札幌のCity Codeは「SPK」です。
北海道にお住まいでない方は「あれ?札幌に新千歳空港以外の空港あったっけ?」と思われるのでは?実は札幌には新千歳空港とは別に札幌丘珠空港(札幌飛行場)という空港があり、「OKD」のAirport Codeが割り振られているのです。

City CodeやAirport Codeの3文字アルファベットの並びのルールはどうなっているのでしょうか?
だいたい想像がつくと思いますが、基本的には地名や空港名の「読み」にちなんでいます。
しかし、3文字だけなので、都市や空港の読みが他所と重複したり、新しい空港だと先に別の空港で使われていたりすることもあります。
その場合には調整をしなくてはいけません。

例えば、札幌のCity Codeである「SPK」。
札幌の名前ならばSPRとしたいところですが、これはベリーズのサン・ペドロ空港に与えられています。
SAPでもホンジュラスのラモン・ビジェダ・モラレス国際空港に与えられています。
なので、適当な三文字目の空きがKだったので、SPKになったわけです。

また、関西国際空港のAirport Codeである「KIX」。
Kansai International Airportですから「KIA」じゃないのか、三文字目の「X」ってなんだ?(関西弁なら「なんやねん?」)ということになります。
ところが関西国際空港は比較的新しくできた空港なので、例えば「KIA」はパプア・ニューギニアのカイアピット空港が先に、「KSI」はギニアのキシドゥグ空港が先に、「KAN」はナイジェリアのアミヌ・カノ国際空港が先に取得しています。
Airport Codeを決める段階で余っている三文字目のアルファベットがIとXしか空いてなかったようです。
そこで、呼びやすい方としてXを選び、KIXというAirport Codeになったわけです。

旅行や出張で、都市や空港の話が出たとき、こういったCodeを織り交ぜるとちょっと通っぽいですよね!(I)