”大谷翔平が踏んだ土”買いますか?
今年も大活躍だったLAドジャースの大谷翔平氏ですが、ドジャースの本拠地ドジャースタジアムでは「大谷が踏んだ土(Shoei Otani Game Used Dirt)」が売られているそうです。
「”大谷翔平が踏んだ打席の土”をドジャースが2万円で販売」(東スポWEB)
長方形のホログラムシール付きで、本拠地開幕戦(3月28日)の打席の土がUSD99、日本人最多本塁打をマークした時(4月21日)の打席の土がUSD149ということですから、日本円で約1.5万円から2万円といったところです。
それなら、従来の記録を破った43-43、キリのいい50-50、最終的な記録54-59となった打席の土はもっと高く売られるだろうと思うかもしれませんが、これらはいずれも敵地でのことなのでドジャースタジアムで売られることはないでしょう。
もっとも、全米的な人気になっている大谷氏のこと、敵チーム本拠地球場で売られることになってもおかしくないかもしれません。
こういうものが売り出されていると聞くと、大谷ファン、MLBファンのみならず欲しいと思うかもしれません。
今時だと海外から通販で買うこともできますし。
しかし、それはやめておいたほうがいいと言わざるを得ません。
なぜなら、国外の土壌を、日本国内に持ち込むこと(つまり、輸入すること)は、植物防疫法 第7条で禁止されているからです。
理由としては、土壌の中に病害虫や病原体が潜伏している可能性があるためです。
試験研究の用や、博物館、動物園、植物園、水族館等の公共施設における標本用の場合は、所定の手続きを経ることで輸入できますが、少なくとも記念品としての輸入は認められないでしょう。
この規制は厳しく、土壌そのものはもちろんのこと、土が付着した植物、土の除去が不十分で付着したままになっている輸入農機具でも輸入禁止となっています。
もちろん、土壌や土が付着した物品そのものは廃棄処分となります。
なお、違反して輸入した場合、3年以下の懲役、または300万円以下(法人の場合は5,000万円以下)の罰金が課せられる場合があります。
ところが、個人でネット通販やオークションができる現在、こういう規制を知らないのか、もしくは、どうせ貨物の全量検査なんか無理だろうと高を括ってるのか、「野球場の⼟が封⼊されたフォトフレーム」等の⽇本向け輸出をうたっているインターネット情報があるそうです。
下のような注意喚起をわざわざ出すほど、検疫に引っかかる事例が多いのかもしれません。
「植物や土が同封されている外国製品の購入に関する注意点」(農林水産省植物防疫所)
もっとも、土なんて真贋鑑定はまず無理でしょうから、ドジャースが直接売っているならともかく、それ以外のルートで販売されているものなんて、偽物の可能性があるでしょう。
まあ、検疫以前に問題外ということで、私なら買いませんね。(I)