物流博物館

貿易にとどまらず、物品取引に必須のなのが「物流」というプロセスです。
様々な運送手段によって、日々膨大な量の貨物が運ばれていることで現代社会は成り立っています。
しかしその一方で、一般の方には貨物が運ばれている様子は日常の風景に溶け込んでしまっていて、あえて「物流」を意識することは少ないのではないかと思います。
品川駅にほど近いこの「物流博物館」は「物流」にフォーカスしたものです。
 ・物流博物館(東京都港区高輪)
  入館料:200円
  https://www.lmuse.or.jp/
 
この博物館では、主に日本の江戸時代から昭和までの物流の歩み、つまり、牛馬・人力による輸送から、明治維新を経て、機械化・効率化・大規模化していく様子を様々な資料で知ることができます。
「物流とはなにか」というそもそもの話から、小さいものは個人向けの宅配便、大きいものは巨大な船による国際物流まで、写真資料、模型、映像資料などで理解を深めることを目的としています。
資料の基礎となっているのが日本通運本社内にあった「通運史料室」のものですが、展示では企業色を排して、物流全般が紹介されています。
 
見ものなのは、地下1階の「現代の物流展示室」にある、陸海空の物流ターミナルの巨大ジオラマです。
海上輸送のコンテナターミナルではガントリークレーンやテナークレーンが動き、日照を模した照明によって、物流業界が昼夜を問わずに動いている様子を見て取ることができます。
子供向けに物流を理解してもらうためのゲームは、もうちょっと頑張ってほしいと思いますが。
 
映像資料も充実しており、日通に限らず、様々な物流企業による貴重な企業映像を見ることができます。
こじんまりとした博物館なので、正直、展示物だけでは30分もあれば見終わってしまうのですが、映像については興味深いものが多く、じっくり見ると数時間はかかってしまうかもしれません。
(個人的には、古い映像はデジタル・リマスターで鮮明化して欲しいところです)
興味の範囲によって、見学にどれほど時間を要するのかが人によってかなり違いそうですが、時間には余裕をもって訪れるのがよいでしょう。
 
もし時間が余ったとしても大丈夫です。
品川駅の反対側にヤマトグループの歴史館「クロネコヤマトミュージアム」があるので、そこも併せて見学するのがよいでしょう。
こちらは、ヤマトグループの企業博物館で、宅急便にとどまらないヤマトグループ100年の歩みを見て取ることができます。
 ・ヤマトグループ歴史館「クロネコヤマトミュージアム」(東京都港区港南)
  入館料:無料
  https://www.yamato-hd.co.jp/museum/