ANA Blue Hangar Tour(あちこち見学編)
今度は全日空(ANA)の整備工場見学「ANA Blue Hangar Tour」に行ってきました。
場所はやはり羽田空港のすぐ横、JALの整備工場もすぐ近くにあります。
飛行機は整備工場から滑走路に直接出る必要があるので、並んであるのも当然といえば当然ですが。
「JAL SKY MUSEUM」は名前のとおり企業博物館ですが、ANAの方は整備工場の見学がメインのまさにツアーです。
展示ホール(ツアー出発前・終了後に自由に見学が可能)も、その内容は整備部門の紹介や、一等航空整備士になるための道程が紹介されているのが特徴的です。
なお、ANAグループでは、整備部門7社を総称してe.TEAM ANAと呼んでいます。
(e.TEAM ANAの業務内容紹介はこちら(空の安全を支えるANAグループの整備士たち~e. TEAM ANA~:Youtube))
ここには実物大の尾翼があり、その大きさを知ることができます。
時間が来るとe.TEAM ANAの紹介ビデオを見た後に、整備工場へのツアーに出発です。
建物の奥に入るには、空港の保安検査と同様の金属探知ゲートをくぐってチェックを受けねばなりません。
数人のチームごとにガイド役の方がついてくれるのですが、その方によると従業員であっても、毎日、それこそ建物を出入りするたびにチェックを受けるとのこと。
いよいよ整備エリアに入る扉の前で、特別な注意を受けました。
「今日は扉のすぐ向こうに特別な機体がいます。この機体の写真は絶対撮影禁止です。」と。
見学当日は10月28日(火)、はたして扉の向こうにいたのは、日本政府専用機!
まさにその前日、ASEAN関連首脳会議に出席していた高市首相が乗って帰ってきた機体です。
機体はBoeing777-300ERと通常の旅客機ですが、航空会社名はなく「航空自衛隊」と書かれています。
機体整備にANAの整備工場に入っているものの、運航する際のパイロットもCAもみんな自衛隊員です。
撮影したいのはやまやまですが、そこは禁止されているのでグッと我慢。
なお、同じく羽田にはトランプ大統領が乗ってきたエアフォース・ワンもいたはずですが、見当たりませんでした。
見学はまず3階デッキからですが、この高さは機体胴体が目の前となるぐらいの高さ。
大きな整備を行う際の整備用足場に囲まれた様子はなかなか興味深いものです。
機内に据え付けられる前の座席が並べられていたり、タイヤが整然と並べられているのも整備工場独特の光景です。
ここにはANAが使用する全ての機種用のタイヤが、それこそ羽田には就航されていない機種のものも置かれているそうです。
自動車のタイヤと違い、溝が縦にしか彫られていないこと、そしてその理由もガイドさんに教えてもらいました。
1階ではフロアーに出て整備中の機体を間近で見ることができます。
いろんな角度から写真を撮ったのですが、さきほどの政府専用機が写りこんでしまうので、苦労しました。
なお、カーゴドアから内部を覗き見ることができる写真も撮ったのですが(カーゴマニアなもんで・・・)その写真は、保安上の理由で掲載禁止と言われました。
※このツアーで撮影した写真をブログやSNSで公開する際には、個々の写真の掲載可否について、あらかじめANAのチェックを受ける必要があるのです。
エンジンブレードの真ん中に描かれている渦巻(回転しているかどうかの目安)や整備中の機体に給電している部分については掲載に問題なしです。
整備場の滑走路側出口ギリギリまで出て、すぐ目の前で離発着する飛行機を見ることもできます。
その中でふとJALの整備工場側を見ると、装飾どころか尾翼マークすらない白塗りの機体が見えました。
「あれはなんなのか?」とガイドさんに聞くと、JALを退役して海外に送られる前に全ての塗装を落とした機体だとのこと。
先ほど見た政府専用機と同じBoeing777-300ERですが、その初号機だとのことです。
遠くてそこまで見えなかったのですが、後で調べるとJAL機としての登録番号が消され、米国籍の登録記号に書き換えられているとのことで、この後は別の航空会社に売却される模様です。
いやあ、なかなか貴重なものを見ることができました。
ANA Blue Hangar Tourも大人気のツアーで、すぐに予約が埋まってしまいます。
私も東京出張がある機会をとらえて、1ヶ月前の予約開始日時(9:30)にゼロ打ちで予約したぐらいです。
この11月からJAL SKY MUSEUMが有料(少額ですが)になったので、こちらの方が予約が取りにくくなるかもしれません。
早く予定を立てて、ゼロ打ち予約にチャレンジしてみて下さい。
ここ限定のグッズが買えるお土産屋さんもありますよ!

展示ホールにあるウェルカムボード

展示ホールにて。尾翼のサイズがわかる。

3階デッキより、足場に囲まれた機体。

タイヤの溝の向きに注目。

かなり間近で整備の様子を見ることができる。

整備中のエンジン。渦巻が見える。

白塗りの機体

