「JAL SKY MUSEUM」再訪(あちこち見学編)
この春に見学した「JAL SKY MUSEUM」が、この11月にリニューアルしたということなので再訪した。
場所はもちろん羽田の日本航空の整備工場。
これまで無料だったものが、入場料1,000円を要するようになったが、どう変わったものかと。
リニューアルに伴い1日あたりの見学時間枠が増えたにも関わらず、予約受付開始となる1ヶ月前の同日にはあっという間に枠が埋まってしまう人気。
有料になっても人気は衰えていないらしい。
リニューアルでをコインロッカー(無料)が設置され、見学前に手荷物に預けることができるようになったことは良かった。
細かいことだけど、有料である以上はこういうことは大事。
JALの歴史を説明する資料、主要な職種の仕事を学ぶことができる展示の他、皇室の方を乗せたフライトなどの特別便の紹介は前と同じくある。
アトラクション的なものも、シミュレーターとして使われた操縦席に座れたり、パイロットやCAの制服(もどき)を着て記念撮影ができるコーナーも前と同じ。
そういう点でいえば、リニューアルといっても展示ホールの内容は、少し増えたぐらいでしかないのかも。
しかし、解説は詳しいし、映像資料を含めるとやっぱり相当なボリュームがある。
展示エリアの見学時間は20分拡大して80分になったのだが、それでも足りないなと思った。
この見学時間にはミュージアムショップや売店でのお買物時間(※)も含まれるので、初めてだと見きれないだろうなと思う。
とくに、初めての人向けの「この後の整備工場見学の際に見るべきポイントの説明」(参加は任意)も、この展示エリア見学時間に含まれているので、初めての人にとってはかなりタイトなスケジュールだろう。
※お買物時間は、工場見学後にも少しある。
ちなみに、見るべきポイントの説明は、初回の人は参加した方がより楽しめるので是非。
機種の見分け方について、操縦席周りの窓の配置、主翼先端の折れ曲がり(ウィングレット)の形、エンジンや予備動力の排気口の形状といった点で説明してくれるので。
展示エリア見学のあとは、ガイドに連れられての整備工場見学。
特段の見学コースが用意されているわけではなく、普通に整備場内なのでヘルメットを着用し、踏んではいけない場所なども指示されて歩く。
1つの棟では重整備(5~6年ごとに行われる)の途中の機体が2機。
重整備は1ヶ月ほどかけての徹底的な整備・点検で、機体は整備デッキに全面覆われていて機体がよく見えないほど。
また別の棟では、C整備(1~2年ごとに行われる)の機体が3機。
こちらは重整備ほど覆われてはいないものの、やはり整備デッキが何本もかかっており、小さめの機種ではジャッキアップで機体そのものが持ち上げられてた。
座席どころか、座席上の共用棚、トイレまで外されてがらんどうになった機体は、こういうところでないと見ることができない。
1つの整備工場でボーイング787のような大きな機体と、エンブラエル190のような小さな機体が並んで整備されているので、その大きさの対比を見るのも面白いだろう。
もっとも、そんな機体が何台も収納できるにも関わらず、中に「柱がない」この広さそのものが見学のキモかもしれない。
2つ目の棟には前述のとおり3機が同時に整備中だったが、それでも半分のエリアしか使われていないのだから。
いうまでもなく、整備場の横はもう羽田空港の滑走路(A滑走路)。
この日・時間は着陸に使われていたようで、見学中にもひっきりなしに着陸してくる。
時間のせいか、小型機、中型機ばかりだったが、それでも着陸時にタイヤから白煙が上がる(摩擦熱のため)様子は、近くじゃなくとよく見えないので、ここならではの光景。
そんな風に見学をしているとあっというまに50分の時間が過ぎてしまった。
前回来た時、また、ANAの整備工場を見た時とも、入っている機種が違うし整備状況も違う。
何度来ても興味深いところだ。
ただ惜しむらくは、私が専門としている航空貨物に関する展示があまりないこと。
整備工場でも、カーゴドアを開けた内部(ロワーデッキ)の様子が見たかったのだが、そういう機会もなかった。
JALはこれから航空貨物にも力を入れるという話を聞いたが、こちらの展示にはほとんど反映されていないようだ。
ULDや搭載用車両はこちらの管轄じゃないのかもしれないけど。
残念だなあ。
ちなみに、コンテナタイプのULD(貨物搭載機材)の古いものが、備品倉庫代わりに使われていました(笑)

JAL(合併前の会社を含む)が使用した機種。これを見るとボーイング747が結構前の機種だったんだなと感慨深い。

とんでもなく広い、整備工場。

重整備中の機体。エンジンの後ろがギザギザしているのは、ボーイング787の特徴。

C整備中の機体2機。大きいのと小さいのが同居。

小さい機体だと、機体ごとジャッキアップして整備。

