番外編:書籍「13歳からの図解でやさしい貿易」紹介

私(池田)の日本貿易振興機構(ジェトロ)時代の後輩である石川雅啓君の著書が出版されました。
彼は現在、ジェトロを退職して近畿大学で教鞭を執っています。
13歳からの図解でやさしい貿易」(刊:メイツ出版)
 
本書はいわゆる貿易実務書ではなく、これから社会のことを考えていく年頃である中学生ぐらいに向けて「貿易とはこういう世界なんだよ」と紹介するものです。
貿易業界というのは、関係業界にいない人にとっては「どういう会社が何をやっているのか」がわかりづらいところです。
これは子供だけでなく、社会に出た大人でも同じで、漠然としかわかっていない人が多いのが事実です。
学校の進路指導の先生ですら、業界のことをはっきりとわかっていないことは珍しくないとも言われます。 
 
それは貿易業界が「外からは見えづらい」ことに理由があります。
取引をする商社の名前が書かれた商品が店頭に並ぶことはほとんどありません。
手に取った商品を見て、その商品を貨物として運送している物流業者のことを考える人もいないでしょう。
商社も物流業者も個人向けのビジネスではないため、テレビや一般向け雑誌に広告を出すことも滅多にありません。
せいぜい、就活シーズンに自社イメージを上げるのを目的に広告を出すぐらいです。
その見えづらい業界、そして、そういった業界がある理由をやさしく、かつ、丁寧に説明しているのが本書です。
 
そもそも「貿易」とは何なのか、どういうことが行われているのか、どういった業種が携わっているのかといった話はもちろんのこと、貿易が我々の生活とどう関係しているのか、さらには、現在の日本と世界のビジネス環境までも説明しています。
見開き2ページで1テーマ、全てオールカラーで図表がふんだんに取り入れられて頭に入ってきやすい構成です。
 
タイトルにある13歳、つまり、中学生ぐらいの年頃というのは、家族、地域、学校と自分と繋がる環境が広がっていき、次はいよいよ社会と繋がっていこうという時期です。
そういった時期に「日本」のみならず「世界」とはどう繋がっているのかを、”自分ごと”として捉えることができるのはとても有意義なことだと思います。
 
中学生だけでなく高校生、それだけでなく、お子さんの将来の進路を考える親御さんにも読んでほしい一冊です。