各講 補足説明・テスト対策

第15講

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第15講では、運賃率の種類のうち、特定品目運賃(SCR)について学びました。

SCR算出の面倒さは、どの品目にも適用されうるので、「今回、運送しよう貨物」が、その路線ではそれに該当するのかどうかを調べなくてはならない点です。
Item No.を覚えるのは、現実的ではありませんので、TACT Rules から調べなくてはなりません。

ところで、このTACT Rules の「2.4. General List of Description」を見ると、同じ品目が複数のItem No.のところに記載されていることがあることに気付かれると思います。
貿易に携わっている方でしたら、関税分類等に使われる「HS Code」というコードをご存知だと思います。
そちらは1品目1Code ですから、それとは違うことになります。

もし、細かい品目ごとに全てItem No. をつけているとしたら、その路線で複数の品目にSCR運賃率を適用させるという場合に、Tariff Rate TableでもそれぞれのItem No.ごとに表を用意しなければならなくなります。
そうなれば、表がひじょうに長くなり、使う際に不便です。
類似の品目(例えば、どちらも野菜といった場合)では、同じ運賃率であることが多いため、同じ運賃率が適用されることが多い類似品目を複数まとめた「グループNo.」のような形にしているわけです。
そういう考え方で、細かい品目ではなく、野菜、魚介類、肉といった包括的なグループNo.もできているわけです。

HS Codeなどを仕事でお使いになっている方はむしろ、この考え方の違いに多少混乱してしまうかもしれませんが、気をつけて下さい。

□第15講は、
IATAからのTEXTBOOKでは下の部分に該当します。
「Module10 AIR CARGO RATES AND CHARGES」Section9
また、Rateの適用優先順位のパートはSection12 に該当します。

しかし、このオンライン講座の内容で十分にカバーしており、特段、TEXTBOOKを見なくとも大丈夫です。

ただ、Rateの適用優先順位について「SCRよりも、GCRが優先される」かなりレアな特例があります。
過去に1度だけ出題されたものですが、オンライン講座内の「参考資料と補足・訂正情報」の項に補足説明として記載していますので、必ずチェックしておいて下さい。

<確認テスト>

特定品目運賃率(GCR)と、品目分類、運賃の適用順位についての問題でした。

運賃問題計算問題の中で、GCR、SCR、CLASS RATES がそれぞれ何問ずつ出題されるかは決まっていません。
(傾向として、SCR適用のものが多くなってはいます。)
適用の優先順位を意識して、間違えないように気をつけましょう。

SCR の肝は言うまでもなく、Item No.がどれになるかです。
しかし、Commodity から Item No.を調べ、それがその Route の Tariff Rate Table に記載があるかを調べるのは、現実的ではありません。
1品目=1Item No.ではないためです。

効率的な方法は、
(1)大分類レベルで何番台になるかを調べる。
(2)そのあたりのItem No. が Tariff Rate Table にあるかどうか調べる。
(3)あった場合は、その Item No. が運送とする貨物に当てはまるものがあるか、TACT Rulesで調べる。
という手順です。

テキスト・パートで大分類ぐらいは覚えておいた方がいいといったのは、この(1)のステップが不要になるからです。
ディプロマ試験はそれほど試験時間に余裕があるわけではありません。
大まかな分類を把握して、時間節約をすることも大事です。

なお、「○千番台はどういう分類か?」という大分類そのものを問う問題も頻出です。
TACTは持込資料なので、チャンス問題といってもいいでしょう。
 

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