各講 補足説明・テスト対策

第19講

<テキスト>

第19講では、運送責任限度額と従価料金(Valuation Charge)について学びました。

運送責任限度額は、かつては金フランで定められ、その後、米ドルになり、今の SDR となりました。
本講座では SDR で算出するとしていますが、SDR というのは目に見える通貨ではありませんので、多くの現場では、今でも米ドルで算出されています。
日本の航空会社や米国系航空会社でも、運送約款で、運送責任限度額を US$ と記載しているところがほとんどです。

細かいところを言うと、運送責任従価料金を計算する場合の重量は通常は Total Gross Weight ですが、米国発着の便では Chargeable Weight とされる場合もあります。
(ここはディプロマ試験では出てきません。)

また、従価料金を計算する際の%についても変遷があり、以前は0.5%だったものが今は0.75%となっています。
このあたりは、容積重量のときに、航空会社側と航空フォワーダー側の主張や、航空界を牛耳っている米国の消費者保護行政の動向などによる駆け引きの結果という側面もあるそうです。

いずれにしても、現時点では、送られてきたTEXTBOOK、TACT では、運送責任限度額をSDR17、%は0.75%と記載されています。
問題上で特に指定されていないかぎり、気にする必要はないでしょう。

□第19講は、IATAからのTEXTBOOKでは下の部分に該当します。

「Module10 AIR CARGO RATES AND CHARGES」Section13

しかし、このオンライン講座の内容で十分にカバーしており、特段、TEXTBOOKを見なくとも大丈夫です。

ただ、この講については、制度改正に関係した訂正が1点あります。
具体的な内容としては、Valuation Chargeを算出する最後の段階で0.75%を掛けた後のRound Offです。
オンライン講座では、Round off regulation の 左列を使うとしていますが、右列を使うことになっています。
オンライン講座内の「参考資料と補足・訂正情報」の項に補足説明として記載していますので、必ずチェックしておいて下さい。

確認テスト >

今回は、運送責任限度額と従価料金の計算問題でした。

本オンライン講座の問題では運送経路、貨物重量、申告価額から従価料金を計算させるようになっています。
運送経路は関係ないように思えるかもしれませんが、通貨単位の Round Off をする必要があるので、発地国がどこになるのかは関係してきます。

SDR17/kg を各国の通貨単位に換算して、重量で掛けたときに1回、0.75%を掛けた後に1回、都合2回の Round Off の必要があることに注意です。
よって、「5.7.1 Currency Table」のページをすぐに出せるように、定規をしおり代わりをはさんでおけば便利です。

なお、過去のディプロマ試験では、運送責任限度額を算出させる問題、従価料金を算出させる問題のいずれも出題されています。
運送責任限度額の考え方についての問題も出題されることがあります。

計算問題では、出題のされかたについて注意が必要です。
Pieces ○○個とありますが、Total gross weightが挙げられていますので、この個数を考慮する必要がない(Total gross weight×個数にする必要はない)ので、注意して下さい。

 

戻る