貿易実務C級英語 FreightとCarriage

貿易実務C級 貿易英語科目の英文和訳では「聞きたいのこれ?!」みたいな問題が結構あるという話をしました。
その最たるものは、文中にあるインコタームズの日本語訳が違うだけという問題です。
とくにC類型で「運賃」なのか「輸送費」なのかというのは頻出です。

ここで整理すると下のとおりです。
・CFR、CIFでは、F=Freightとなり、「運賃」。
・CPT、CIPでは、C=Carriageとなり、「輸送費」。

この2つの違いを表すために、インコタームズを日本語訳した人が、言葉を選んだのだろうなという苦労が偲ばれます。

では、元の語である「Freight」と「Carriage」はどう違うのかということです。
辞書を見ますと、Freightには、運賃というだけでなく、「貨物運送」という意味がありますが、これは「(とくに英国では)陸上貨物運送には用いない」とあります。
そして、その運賃も「船『賃』」という意味になります。
一方、Carriageには、運賃、輸送費と両方の記載があるのですが、別にある「貨物運送」の意味に運送モードの限定がありません。
つまり、輸送全般にかかる「『費』用」だということです。

このことから、
Freightはあくまでも船や航空機による運送なので、港・空港で費用負担が移転するインコタームズ、つまり旧来からあるCFR、CIFで使うことが正しい。
Carriageは運送モードの限定がないので、内陸で費用負担が移転することも想定しているインコタームズ、つまり、コンテナ運送も想定したCPT、CIPで使うのが正しい。
こう整理することができるわけです。

このように語源から考えると、なんだかややこしい運『賃』と輸送『費』の違いも覚えやすいのではないでしょうか。