平成27年度法令改正-関税法-

毎年4月は大きな法令改正がある時期で、通関士試験の勉強をする方はその内容に大きな関心をお持ちだと思います。
一部のテキスト本では、27年度版とされていながら、この改正内容の記述がないものもあります。
これは、出版とそのための執筆・編集のタイミングから考えるとしょうがない部分はありますが。

なお、通関士の試験範囲となるのは、当該年の「7月1日現在で施行されているもの」です。
法改正の中には、4月に発表されても施行はもっと後ということもありますから、施行日も確認する必要があります。

さて、本年の関税法の改正点で、試験への影響が大きいと思われるものは下の2つです。

  1. 期限後特例申告に係る、「無申告加算税が課されない」場合(第12条の3 第5項)
    期限後特例申告書の提出があった場合は、原則的には無申告加算税が課されることになります。
    しかし、「期限内特例申告書を提出する意思があったと認められる場合で、かつ、当該期限後特例申告書の提出が提出期限から一定期間を経過する日までに行われた場合」には適用されないことになっています。
    従来は、この一定期間は「二週間」でしたが、今回の法改正で「一月」となりました。
    (4月1日施行)
  2. 「輸入してはならない貨物」の追加(第69条の11 第1項)
    第1号の麻薬類の次号に、第1号の2という形で危険ドラッグが加わりました。
    危険ドラッグは俗称ですので、正しくは、
    「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第十五項(定義に規定する指定薬物(同法第七十六条の四(製造等の禁止)に規定する医療等の用途に供するために輸入するものを除く。)」、
    括弧書きを除いてシンプルにすると、
    「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の第2条第15項に規定する指定薬物」ということになります。
    (4月1日施行)

他にも細かい改正があるにはありますが、試験対策としてはこの2つを押さえておけばいいでしょう。
また、2番目については、貿易実務検定でも狙われる可能性があると思います。

(4/7 追記)
上記の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」は、「薬事法」が平成26年11月より改称されたものです。
略称としては「医薬品医療機器等法」となります。