平成27年度法令改正-NACCS法施行令-

通関士試験では、毎年、下の3つの特例法について、1問か2問(ほとんど1問だけです)出題されています。

  • NACCS特例法(電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律)
  • ATA特例法(物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律)
  • コンテナー特例法(コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律)

これまでの出題内容としては、この3法令のいずれであっても、それほど難しい問題ではなかったので、少しの勉強で1点稼げる得点源と言う人もいます。

今年度は、NACCS特例法施行令に改正(4月1日施行)がありました。
その改正内容は「NACCSで行える手続き」という出題内容としては定番のものなので注意しておいたほうがいいと思います。
つまり、同施行令別表に掲げられている項目が変わったということですが、試験で出題される可能性が高いのは下のとおりです。

  • 4項、5項(一部追加)
    関税法第15条第14項、および、同法第15条の3第5項の規定による報告。
    第15条13項、および、第15条の3第4項では、輸入してはならない貨物の規定の実施確保のために、税関空港への入港の前に予約者、予約内容、予約者の携帯品などについて、税関長が外国貿易機(第15条)、特殊航空機(第15条の3)の運航者などに対し「報告」を求めることができるとされています。
    この報告を電磁的記録で行う場合にNACCSが利用できるようになりました。
  • 11項、12項
    関税法第20条第4項、および、同法第20条の2第5項
    上記の4項、5項の不開港への出入バージョンです。
  • 57の3項(新設)
    関税法施行令第62条の2第1項(輸出してはならない貨物に係る認定手続)の規定による証拠の提出若しくは意見の陳述又は同条第2項の規定による意見の陳述
  • 57の4項(新設)
    関税
    法施行令第62条の16第1項(輸入してはならない貨物に係る認定手続)の規定による証拠の提出若しくは意見の陳述、同条第2項の規定による意見の陳述又は同条第四項第五号の規定による書面の提出

出題される可能性が高いのは下の2つだと思います。

なお、NACCS特例法施行令は、昨年末にも改正がありました(1月1日施行)。
しかしこれは、出入国管理及び難民認定法の一部を改正に伴うものです。
モノが主眼である通関士試験ではヒトが主眼の法令との関係は出題される可能性は極度に低いと考えていいでしょう。