er と ee

貿易実務で登場する用語・単語には覚えにくいものがたくさんあります。
L/CとかB/Lといった二文字略語が沢山あるのもそうですが、似ているので覚えにくいものもあります。
代表的なのは、為替手形のDrawer(振出人)とDrawee(名宛人)ですね。
「ある状況の両者」で似た単語になるものは他にもあります。

こういう単語の覚え方は実は単純で、ベースになる単語があって、その後ろが「er」になっているのは「する人」、「ee」になっているのは「される人」と考えたらいいのです。(erは、or、)
例えば、上記の為替手形だと、為替手形をdraw(振り出す)ことを「する人=振出人」だから「Drawer」ですし、「される人=名宛人」だから「Drawee」なわけです。
他にも例を挙げてみましょう。

  • 雇用する(employ)
    する人=雇用主:Employer
    される人=被雇用者、従業員:Employee
  • 支払う(pay)
    する人=支払人:Payer
    される人=受取人:Payee
  • フランチャイズ権(一手販売権を与える)(franchise)
    する側=一手販売権を与える者、フランチャイズ元:Franchiser
    される側=一手販売権を与えられる者、フランチャイズ店舗:Franchisee

他にもあるので探して見て下さい。
1回で2つの単語がわかるようになるので「オトク」です。

では、貿易用語の代表である「Consignee(荷受人)」、後ろが「ee」になっていますが、これはどうでしょう?
consigneeの対義語で使われるのは「Shipper(荷送人)」ですよね。
たしかに送り出す側はerで、送り出される側はeeという関係ですが、ベースになっている部分が違います。
ところが、実は「Consignor」という単語はちゃんとあり、その意味も荷送人、荷主」だったりします。
どうしてこちらの単語が貿易では使われないのか、その経緯はわかりませんけどね。