輸出申告書のショートカット

さて、いよいよ通関士試験が迫って来て、みなさん、ラストスパートに入っていることでしょう。
試験の3科目のうち、多くの方が通関実務の科目で試験時間が足りないとおっしゃいます。
そこで、少しでも時間が節約できるように、輸出申告書の問題で時間(ショートカット)を節約できる方法をご紹介します。

といっても、今年は得点配分が変わることになっているので、正確にこのとおりにできるとは限りません。
あくまでも、従来どおり、下の形式になっていることが前提であることだけご了承下さい。

  1. 回答欄が5欄あること。
  2. 5欄全てに品目が入り(解答する)、使用しない欄がないこと。
  3. 輸出申告価格を解答する必要がないこと。

各所の模擬試験でも、得点配分はさておき、出題形式の変更はないと予想しているようですので、当サイトでもそれに準じます。
(予想が外れて、出題形式が変わったらゴメンナサイというしかありませんが。)

このショートカットが使える問題には、下の条件となります。

  • 按分計算の加算要素や控除要素は、価格按分であること(数量按分では使えない)
  • 輸出統計番号の品目分類で、貨物の金額によって番号がわかるものがないこと。

過去問を見るとほとんど、そうなっていますから、使える可能性はかなりあると思います。

まず、大事なのは、前提の1.と2.です。
解答欄が必ず5つなのですから、Invoice上の貨物がいくつであろうと、必ず5つに分類されるわけです。
Invoiceから貨物の番号分類をして、同じ番号を統合した後に金額を合算します(外貨のままで結構です)。
ここで、品目が5つ以上あった場合、金額の多い順で上から4つ目までが、そのままの順番で1欄~4欄までになります。
5つ目以上は、20万円以下で合算する品目(少額品目)になります。
よって、そのうち、一番金額の大きな品目の番号で10桁目がXのものを選べばいいわけです。
20万円相当額を算出(20万円÷換算レート)をする必要がないことが重要です。

というと、「加算要素や控除要素は考えなくていいの?」という疑問に思われるでしょう。
ここで、条件の「価格按分であること」に注目します。
価格按分というのは、Invoice価格に比例配分して加算や控除するものですので、加算や減算をしたところで、金額の多寡の順番は変わりません。
よって、上記のように、Invoice価格のままで(同じ番号を統合後に合算した金額で)の順位はそのまま使えるのです。
これが、加算要素や控除要素を計算しなくて良い理由です。

結局のところ、外貨のままで1欄から5欄まで解答すべき品目の番号は確定できます。
20万円以下になる品目どうかを見る必要もありません。
また、前提の3.のとおり輸出申告価格を解答、つまり、円貨への換算も必要もありません。
よって、そもそも、輸出申告日から適用される円換算レートを知る必要もないわけです。

もし、条件の2が外れたとしても、換算レートを使って品目分類をする必要があるだけで、金額の大きな順で解答欄が確定することは同じです。

どうでしょう?輸出申告書の問題では、ほとんど計算する必要がないことがおわかりでしょうか?
ラストスパートにおいて、少しでも解答時間を減らしたいと考えている方は、練習問題や過去問題でお試しいただければ、その効果が実感できると思います。(I)