東京税関本関日本の税関は管轄エリアを9地域に分けています。
管轄区域を北から西に順に挙げると、函館、横浜、東京、名古屋、大阪、神戸、門司、長崎、沖縄となります。
各税関の中心を「本関」といい、それぞれが広報展示室を持っています。
税関によって展示内容に違いがあるので、その見学をするのは、私の出張時のささやかな楽しみだったりします。

先日、東京出張の折に時間ができたので、東京税関本関2階にある広報展示室「情報ひろば」に行ってきました。
平日しか開館していないのと、お台場の東京テレポート駅というあまり行く機会がない場所にあるので、今回が初訪問です。

税関の歴史を展示入室してまず目にするのは、日本の税関の歴史です。
古文書が展示されているのですが、それはなど日本の「開国」という近代貿易の始まりを物語るものです。。
目を引くのが「安政の五箇国条約」ですが、これは日本史の教科書で有名な「日米通商修好条約」を始めとした、欧米列強(米、英、露、仏、蘭)と結んだ貿易条約です。(原本ではなく、抄本か写しでしょう)
そのほか、税関の前身である「運上所」と書いてある看板であるとか、開国当時の風景を描いた錦絵もあり、こういうものがあるところが、東京税関らしいところでしょう。

ワシントン条約で輸入が規制されている物品(絶滅の危機に瀕している野生動植物)や密輸の手口、麻薬探知犬の役割についても、他の税関よりもビデオ映像などビジュアル面で工夫を凝らしてあって、よりわかりやすい展示がしてあります。
密輸の手口の事例は、ほんとにいろんな手を考え付くものだなぁと感心すらします(それでも、発見・摘発されているわけですが)。
その中で興味深かったのが、時代によって密輸される物品が変わっていることでした。
戦後すぐは米軍からの横流し品や高関税品である時計だったのが、昭和40年代には生活水準の向上に伴って金塊(当時は高関税品でした)に、昭和50年代には暴力団の抗争の激化から武器類に、平成以降は麻薬や違法ドラッグなどにと、世相と密輸品の意外な関係が示されています。

ここの展示室では、見学者に演習的なことをして理解を深めてもらおうという意図があるようでした。
例えば、上述の密輸への対策についても、X線探知機の模型を見学者が動かせるようになっていました。
どこの税関の展示室にもある「模倣品(ニセモノ)を輸入しないように」と啓蒙するための展示についても、見学者に「自分はどういう買い物をするタイプなのか」を考えさせて(チャート式で選んでいきます)、それに応じて注意ポイントを説明するという形になっています。
無税で輸入できる範囲は?の買物ゲームとくに面白く、また、他の税関では見たことはなかったのですが、自分が旅行者だとして、「どれだけの買物(金額と数量)までなら、無税で日本に持ち込めるのか?」という、いわゆる「海外旅行者の免税範囲」をテーマにした買い物ゲームもありました。
予算と時間に制限が設定されていたため、焦った私は「1品目ごとの合計額が1万円以下の物品は原則免税」というのを失念してしまい、「まだまだ買物できます。」という判定を受けて「しまったー!」と頭を抱える羽目に。
みなさんにも、ぜひチャレンジして欲しいゲームです。

ビジネスクラスのシートに座ってお勉強全部の展示物をちゃんと読んでいると、結構な情報量で少し疲れてくるのですが、そんなときにも大丈夫です。
(なぜか)飛行機のビジネスクラスの座席が2脚置いてあり、そこで海外旅行の豆知識などのビデオを見ることができます。
操作が(なぜか)プレイステーションのコントローラー型で、カーソル移動がもっさりしているのが難点ですが、退屈しない内容です。

この通り、貿易にあまり詳しくない人でも結構楽しめる、東京税関「広報ひろば」。
近所には、船の科学館やガントリークレーンでの荷役作業を見ることができる公園もありますので、機会があればぜひ一度行かれてはいかがでしょうか。
カスタム君も待っていますよ!まあ、少し言わせてもらえれば、税関行政について広報・啓蒙したいというのであれば、平日のみ開館という点や、港湾合同庁舎の中にあるので入館証を書かなければいけないという面倒くささをなんとかしてほしいなと。(I)