貨物分野を目指す学生が増えてほしい
昨日の大阪航空専門学校の期末試験採点で、今年度の全専門学校の講義終了。
私が担当した2年生はみんな就職先は決まっていて、あとは卒業式だけ。
1年生は長い春休みとなるかと思いきや、1年生はもう就職活動に突入していて、おそらく頻繁に学校にくることになるんだろう。
(1月の授業でもスーツで受講している学生ばかりだった。)
とはいえ、私が担当している国際物流や貨物コースの学生は例年、誰もが知っている大手企業のグループ会社に、それもけっこう早期に内定が出ているのであまり心配はしていないのだが。
私が専門学校で教えているのは、内勤職や営業職、通関業に係る内容。
とくに「IATA Diploma Cargo Introductory Course」(わかりにくいので、国際航空貨物取扱士と呼んでいる)という資格を取得できるのが航空物流業界への就職率が良い理由だったりする。
国際分野への就職としては下手な大学よりも可能性は高いのではないかな?
就職の面で言えば、もっと国際物流や貨物コースはもっと人気が出て学生が増えてもいいのになといつも思う。
私の講義余力もまだまだ十分にあるし。
しかし難点は、これから進学する学生にとって、物流業界は「見えていない」、「見えていても断片的」な世界だということだ。
それこそ学生の進路指導にあたる高校の先生も、学生の将来の仕事としての物流の職種といえば、ドライバーやパイロット、船員といった運行関係や倉庫などのピッキングや積卸し関係ぐらいしか想像せずに指導を行ってるんじゃないだろうか。
例えば航空分野でも、パイロットのような運航分野やCA、GSのような旅客分野は想像できても、貨物分野については存在すら思いつかない人は多い。
空港で銀色の航空貨物コンテナ(ULD)を目にすることがあっても、意識に残っていないようだ。
また、貨物分野をなんとなくは知っていたとしても、駐機場(ランプ)で貨物の積卸しをしているグランド・ハンドリングまでは意識しても、その後ろには、顧客との貨物の受渡し、貨物の運送計画や運賃計算、航空運送状の作成といった多くの内勤職の人がいるということまで想像できる人はかなり少ないだろう。
もちろん、貨物の集荷をするために営業職や、国際貨物であれば通関手続きを行う仕事もある。
もちろん海運分野でも同じく、運航分野以外にも多くの職種がある。
コロナ禍で旅客便が飛ばない中、実は貨物分野は航空会社の大きな収入源でありそれが寄与して生き残ったという話や、ワクチンが航空便で運ばれている話がニュースで出ているが、これを機に貨物分野、物流分野がもっとメジャーになってくれればな、そして、この分野を目指す学生が増えてくれればな、と思う。