法律、政令、省令、通達・・・その1

貿易の勉強、とくに通関士やSTCの勉強をするなかでまずぶち当たるのが「法令」という言葉です。
法令の内容は覚える必要があるものも多いのは事実ですが、その構造・構成を知っておくと少し楽になります。
(厳密な行政法的な意味よりも、試験対策的なわかりやすさを優先します。)

まず、法令という言葉は、法律を意味する「法」と、政令や省令などを意味する「令」を1つにしたものです。

「法律」はご存知のとおり、国会で制定される国の規範です。
通関士試験の範囲で言えば「○○法」(例:関税法、外国為替及び外国貿易法)という法律名になります。
しかし、国会議員の先生方は忙しく、法律でルールをなにからなにまで決めるのは不可能なので、いうなればルールを作った意義や、ルールの内容、そして、ルールを守らせるためのアウトラインぐらいしか定められていません。
そこで、法律を現実的に運用するために、内閣が詳細な実体面を補う規定を定める必要があります。
この規定を、政府が定めた命令、つまり、「政令」と言います。
政令は「○○法施行令」(例:関税法施行令)とか「○○令」(例:輸出貿易管理令)といった名称になります。
言うまでもなく、政令は法律の範囲内でしか定めることはできません。
法律の条文中で「~に関し必要な事項は、政令で定める」などという記載がありますが、これは、法律では細かいことを決めていないので、それは政令を見てね、という意味です。
ちなみに「内閣が定める」ということになっていますが、実際にはその法律を所管している省庁が内容を出すことになります。
(法律にはそれぞれ所管官庁があります。)

さらに、法律や政令の実務面での手続き、例えば書式であるとか記載事項を、法律の所管官庁が定めます。
この規定を、省庁が定めた命令、つまり、「省令」(正確には、内閣府が定めるものもありますので、「府省令」)と言います。
省令は「○○法施行規則」(例:関税法施行規則)、「○○省令」(例:貨物等省令)といった名称になります。
省令も法律の範囲内でしか定めることはできません。
法律や政令の条文中で「その他○○規則で定める事項」などという記載がありますが、これは、実務的には提出する書類については、法律や政令では示していないので、それは省令を見てね、という意味です。

通関士やSTC試験で出てくる「法令」とはこの範囲になります。
つまり、関係性としては、法律-政令-省令の順になるわけで、出題されていることについて、この3つのどこを探せばいいのか、出題内容の性質を考えると見つけやすくなるわけです。

そして、ここが大事なのですが、通関士試験もSTC試験も、現場実務者、それも、ルーティーン事務をする人ではない層に対する試験です。
なので、通関士試験の出題内容としては、そういった層の人が一番必要とする知識である、政令レベルから問うものが一番多く、その次に法律レベル、省令レベルは細かすぎるので、それほど出題されません。
もっとも、1問1問が大事な通関士試験では、省令を無視することはできませんが・・・
一方、STC試験では、省令レベルでも現場実務者レベルの内容がありますので、省令レベルまでしっかりと勉強しておかなければならないのです。

ただ、試験範囲は法令だけじゃなく、他にもあります。
それについては次回のお話としましょう。

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