法律、政令、省令、通達・・・その2

通関士試験やSTC試験では「法令」以外にも、「告示」や「通達」も試験範囲に含まれます。
これらは厳密には法令ではありませんが、試験勉強では法令の一種と認識されています。
では、これらはどういうものでしょうか。

まず、告示ですが、これは法令の所管官庁が、法令の内容や用語定義などを補完するものです。
告示は「○○告示」という名称の場合もありますが、タイトルのみでわかりにくいこともあります。
代表的な例が、外為法(法律)の輸入貿易管理令(政令)で定める、輸入割当や承認を受ける必要がある貨物を、輸入公表(告示)で定めているものです。
なお、輸入公表は正式には「輸入割当を受けるべき貨物の品目、輸入の承認を受けるべき貨物の原産地又は船積地域その他の貨物の輸入について必要な事項の公表を行う等の件」という名称だったりします。
定義や範囲が変わる可能性があるものを法令で定めると変更が面倒なので、告示の形で示していると言ってもいいでしょう。
しかし、逆に言えば法令の補完ですので、実質的に法令と同様の効力を持つことになります。
告示は通関士試験では出題されることはほとんどありませんが、STC試験では重要ポイントになります。

一方、「通達」というのは、これまでのものとは趣を異にし、行政機関が上位部署から下位部署への出す指示や命令のことです。
法令に関して言えば、所管法令に関する処分や決定などを行う下位の執行部門に対して「この法令については、このような判断をしなさい」「このように運用しなさい」と指示・命令を出すものです。
ですので、通達の文章は、<執行部門が>「~をしてさしつかえない」とか「~するものとする」という記述や、申請などをしてきた国民や企業に「~させるものとする」といった記述になっています。
通達は、「○○法××通達」(例:関税法基本通達)などの名称になります。
通達は、あくまでも行政機関内での指示・命令事項ですが、執行部門ではこの通達を基準として業務を行っていますので、これも実質的に法令と同様の効力があるといっていいでしょう。
通達には、法令の運用上の解釈や注意点が多く記述されているので、関税法などのこねくりまわった条文を読み下す際にはひじょうに役に立ちます。
通関士試験では通達からの出題は多いので、要注意です。

なお、STC試験では、これ以外に、国民への告示兼通達的ではあるけれども、実質的には法令の運用の指針や基準を表しているだけである「ガイドライン」(例:明らかガイドライン)も出題されます。

通関士試験にせよ、STC試験にせよ、ほんとうに内容を理解しようと思ったら、最終的には法令等にあたる必要があります。
とくに通関士試験では、私が教えた生徒さんを見ると、テキスト本や問題集でどうもわからないことがあったら、「そういうものだ」と切り捨てるのではなく、条文をあたって調べる方のほうがより多く合格しています。
法令の構造・構成を理解して、条文を軽視せず、「急がば回れ」の心構えで勉強に臨んで下さい。

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