収容、領置、差押の違い

関税法の規定にある用語として、意外とわかりにくいのが、「収容」「領置」「差押」の違いです。
収容以外はそれほど出題されるところではありませんが、収容についてより理解するために、それぞれの意味を見ていきましょう。

  • 収容
    保税地域に置いていてもよい期間が過ぎても置かれているために税関が占有することを意味します。

収容による税関の占有は、犯罪が起こった(もしくはその可能性がある)ことによるものではありません。
もちろん、保税地域に置いていてもよい期間を経過した後にも引き続き置かれていたとしても、犯罪というわけではありません。
なので、収容された貨物は収容課金などを納めれば解除(返還)してもらうことができます
収容の解除は貨物の所有者の意思によることになります。
なお、収容された貨物が最初に収容された日から四月を経過してなお収容されているときは、税関長は、公告した後当該貨物を公売に付することができます。(関税法第84条第1項)
上述のように、収容解除は貨物の所有者の意思によるわけですから、それだけの期間が過ぎても解除しようとしないなら、税関としては売っちゃいますよ、というわけですね。

  • 領置
    税関が犯則事件を調査するため必要があると認めるときに犯則被疑者が所持する、もしくは置き去った物件を留め置くことです。
  • 差押
    犯則事件を調査するため必要があるときに、また、現行犯で裁判官の許可状により、物件を押収することです。

任意提出された(させた)場合を「領置」、強制的に持ち去った場合を「差押」といい、この2つを総称して「押収」と言います。
つまり、領置よりも差押の方が、より犯則の確定が固いと考えていただいて結構です。
このとおり、犯則事件の調査のために行なわれるものであるため、領置や差押された貨物は、貨物の所有者の意思では解除してもらえません。(関税法第121条~123条)
税関長は、領置物件又は差押物件について留置の必要がなくなったときは、その返還を受けるべき者にこれを還付しなければならないことになっています。(関税法第134条第1項)
この場合、領置物件又は差押物件について関税が納付されていないときは、当該関税をこれらの物件の返還を受けるべき者から直ちに徴収することになっています。(関税法第134条第4項)

しかし、犯罪に関係する貨物の場合など、税関が貨物を返還しようにも、貨物の所有者が現れない場合もあります。
現れた途端に逮捕!になるかもしれませんからね。
このように「領置物件又は差押物件の返還を受けるべき者の住所若しくは居所がわからないため、又はその他の事由に因りこれを還付することができない場合」には、「返還するから名乗りをあげて下さい」という公告を税関長はしなければなりません。
やましい貨物ならば、そんな公告を出されてもやっぱり名乗り出てくることはないでしょうけれど。
そうなると、今度は「公告の日から六月を経過しても還付の請求がないときは、これらの物件は、国庫に帰属する。」ということになっています。
国庫に帰属するのであって、公売にかけられるわけではないという点が収容との違いです。
領置物件や差押物件が公売にかけられるのは、「腐敗し、若しくは変質したとき、又は腐敗若しくは変質の虞があるとき」(関税法第133条第2項)と条件が付されていますので注意して下さい。

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