外為法:うなぎの稚魚の輸出承認制度廃止
外国為替及び外国貿易法(外為法)では、輸出の承認を要する貨物が定められています。
具体的な対象貨物は輸出貿易管理令 別表第2で挙げられており、貿易実務検定や通関士試験では以下のものがよく出題されます。
・ダイヤモンド(1項)
・血液製剤(19項)
・しいたけ種菌(30項)
・冷凍のあさり(34項)
・モントリオール議定書関連のオゾン層破壊物質(35項)
・バーゼル条約関連の特定有害廃棄物(35の2項)
・ワシントン条約関連の絶滅のおそれのある野生動植物(36項)
この別表第2には1項~45項まであり、数だけで見ると覚えるのは大変そうですが、けっこうな数の項が「削除」、つまり「もう承認が不要になった貨物」だったりしますので、実はそれほど多くなかったりします。
改廃が多いということは、試験対策としてはあまり細かい品目まで覚えるほどのことはないとも言えるでしょう。
しかし、今年12月1日からこれまで試験に何度か出題されてきた品目について、承認制度が廃止=承認不要になりました。
既に政府による法令検索サイト「G-GOV」では削除済です。
タイトルにあるとおり「うなぎの稚魚」(旧33項)がそれで、通関士試験では令和2年、令和5年に出題されていました。
出題内容としては、いずれも輸出貿易管理令 第4条 第4項に係る別表第7についてのもので、一定金額以下の少額貨物であれば承認が不要になる場合についてです。
改正前は5万円以下であれば承認不要ということでしたが、そもそも「うなぎの稚魚」の承認制度そのものがなくなりましたので、この規定も無くなったということになります。
これによって、承認不要となる金額が5万円以下のものは、血液製剤(19項)のみになりましたので、覚えやすくなったと思います。
気を付けて欲しいのが、2026年版の通関士試験対策用テキストでこの改正が反映されているかどうかということです。
各社ともテキストの発刊自体はこれからですが、早いものだと12月には発刊のものもあります。
しかし、原稿の改訂、数度の校正・編集を経て印刷が行われるまでにはそれなりの期間を要します。
もしかしたら、この法改正が反映されていないものもあるかもしれませんので、テキストを入手したら注意してみて下さい。

