らくらく登山、霧ヶ峰
せっかく長野県にまで来たのに、硫黄岳だけだともったいないので、翌日19日(月)はすぐ近くにある霧ヶ峰に。
言わずと知れたエアコンの名称になるほど爽やかな高原だが、日本百名山の1つでもある。
ただし、霧ヶ峰という単独の山は無くいくつかの高原が連なるエリア全体のことを指す。
そのうち最高峰となるのが車山高原にある車山(標高1,925m)で、今回はそこを目指す。
目指すと大げさに言ったが、実はここ霧ヶ峰(車山)は百名山のうちでも登山口から山頂までの標高差が最も小さいことで有名で、リフトを使えばたったの5m。
さすがにそれではつまらないので、車山登山口から登るのだけれども、それでも標高差は約100m、おまけに山を巻くようにゆるやかな坂を登るだけというお手軽登山。
よってこの山は登ること自体を楽しむというより、高原らしい自然を楽しむのが目的になる。
この時期の霧ヶ峰はニッコウキスゲの開花時期として知られ、登山口近辺には山吹色の群生地があった。
しかし、ほかの登山者の方が言うには、昔は登山口近辺だけでなく登山道の両側にびっしりと咲いていたとのこと。
ところがほとんど咲かなくなってしまったので人の手で繁殖させているのがこの登山口近辺の群生地らしい。
さらに今年はそこで咲いているのも少な目とのこと。
一面に咲けば山吹色の絨毯のようになるそうで、そんな風景、いつか見てみたいものだ。
それでも十分にきれいな群生地を後にして登山道へ。
草原の中を通っているので真夏の直射日光に晒されるが、標高があり、また、いい感じの風も吹いており、長袖を着ていてもちょうどいい気温。
声はすれども姿がなかなか見えない野鳥の声を聞き、景色を眺めながらブラブラと歩き上る。
道は広く、両側にはロープも張られているので迷うこともないが、そこは八ヶ岳火山帯の火山であった霧ヶ峰のこと、けっこうゴツゴツ岩の道になっている。
登山靴なら問題はないが、スニーカーなんかだとちょっと苦労するかも。
心拍数も上がらないほどゆるゆると1時間ほど登ると山頂に到着。
車山のシンボルである気象レーダーの周りには大勢の人がいた。
山頂からは全周の景色が見え、隣にある蓼科山の秀麗な姿や、春に登った北横岳などの八ヶ岳の山々、中央アルプスの高峰を眺めることができた。
ただ、条件が良ければ見える富士山や北アルプス、南アルプスがこの日は雲や霞で見えなかったのが残念。
夏場は雲が湧くからしょうがないね。
山頂には車山神社が鎮座している。
こじんまりとしたお社だが、ふもとの諏訪大社と同じく周囲には四本の御柱(おんばしら)が建てられている。
祭神は山の神様である大山祇神と、諏訪大社の祭神でもある建御名方神、八坂刀女神。
今回の登山の無事を感謝してお祈りして下山。
霧ヶ峰はその名のとおり霧に包まれる日も多いらしいが、この日はみごとな晴天。
実に気持ちのいい、昨日のハードな登山の整理体操のようなハイキングであった。