晩夏、燕岳へ・・・ 2日目

燕岳の山小屋、燕山荘は初心者向けの山小屋。
お風呂がなく、寝床が1人1畳の雑魚寝なのは他所と同じだが、食事は美味しいし、トイレは簡易ではあるが水洗、水道水は(無駄遣いは禁物だが)飲むことができる。
山上で水が調達できるのはこの上なくありがたい。
 
夕陽を見ることができず残念だったが、さらに夜半に雨まで降りだした。
しかし、雨雲レーダー(ここは携帯の電波が来ている)では明け方には雨は上がるとのこと。
翌朝の夜明けは5:30とのことなので、ご来光は見るために、4:50の一番早い朝食組に紛れ込もうと20:30の消灯時間にはさっさと寝る。
ちなみに上の段にいた家族、お子さんは「穂高」という名前らしい。
両親とも山好きなんだろうね。
 
ここでは一番早い朝食組が一番混むらしい。
ご来光をみようという人だけでなく、ここから大天井岳・常念岳へのコースや、槍ヶ岳への表銀座コースを行こうという人が早立ちをするから。
よって、朝食会場ではその日の行動計画の確認を話題にしている人が多く、まだ夜明け前なのに活気がある。
 
朝食後は今回の目的の1つである、ご来光とご来光に照らされる穂高連峰を見に、まだ10℃前後の外に。
雨は上がったが、まだ雲はとくに穂高方面に厚く残っていて、待っている人みんなが気をもんでいる。
なんとか雲が切れて、荘厳な日の出を拝むことができ、また、朝日に染まる燕岳のいい具合の写真も撮ることができた。
ただし、穂高方面の雲は一瞬切れただけだった(それでも槍ヶ岳はちょっと見えた)ので課題が残った感じ。
 
あと残った目的は燕岳山頂に到達すること。
大きな荷物は山小屋に預かっておいてもらい、軽装で約1kmの最後の道に。
花崗岩と砂礫に覆われている山頂付近は奇岩が多く、眼鏡岩とかイルカ岩となどと呼ばれるものがあって楽しい。
山頂部分が狭いために長居ができない(他の方の邪魔になるからね)のと、山頂は雲がかかってしまって眺望はあまり楽しめなかったので、登頂の証拠写真をとったら下りることに。
それでも、ずっと登りたかった「北アルプスの女王」を極めた達成感は半端ない。 
 
あとは来た道を下るだけではあるが、7:40のこのタイミングになって晴れてきた。
登るときには疲れと悪天候で十分に見ることができなかった、登山道の稜線からの風景、とくに大天井岳から東大天井岳といった常念山脈の山々も綺麗に見えた。
ちなみに、例年なら紅葉が進んでいるはずが、今年はまだ色づき始めで、あと10日ほどかなぁという段階。
 
下っていてわかったのが、合戦尾根が「北アルプス三大急登」と言われる意味。
登りではそう急とは思わなかったが、下りだと階段状になっているところのギャップの大きさがキツい。
ふくらはぎの筋肉が張ってくるし、ジャンプすると捻挫する可能性があるので一歩一歩下りねばならない。
木の根っこにつまづかないように神経も使う。
正直「こんな急なところ登ってきたっけ?」とまで思ってしまう。
元々下りが下手なのもあって、登山口に戻ってきたのは11:30と、4時間近くもかかってしまった。
中房温泉の立寄り湯で汗を流して、今回の山行はフィニッシュ!
 
いくつか達成できなかった目的はあるものの、ほんとうに充実した1泊登山だった。
次は達成できなかった目的を同じように目指せる蝶ヶ岳か常念岳あたりかなぁ。
 
ご来光を見る人々。

ご来光を見る人々。

朝日に染まる燕岳山頂。

朝日に染まる燕岳山頂。

一瞬、雲が切れて見えた大天井岳(左)と槍ヶ岳(右奥)

一瞬、雲が切れて見えた大天井岳(左)と槍ヶ岳(右奥)

イルカ岩

イルカ岩

山小屋で買った燕Tシャツで山頂を極める。

山小屋で買った燕Tシャツで山頂を極める。

下山途中で見える常念山脈。

下山途中で見える常念山脈。

中房温泉の立寄り湯。

中房温泉の立寄り湯。