「メトロポリタン美術館展」に行ってきた
各学校も冬休みに入り時間ができるようになったのをいいことに、金曜日は大阪市立美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展」に行ってきた。
コロナ対策のため入場予約制なので、大規模美術展であるにも関わらず、会場内はそれほど混雑していなかった。
平日・早い時間にしたのもあって、当日券にも余裕があるレベルだったのも幸いしたかも。
副題に「西洋絵画の500年」とあるとおり、15世紀から20世紀に至るまでの名画がテーマ。
さすがメトロポリタン美術館というべきか、ラファエロ、ルーベンス、レンブラント、ベラスケス、カラバッジョ、フェルメール・・・と、オールド・マスターの作品がずらりと。
ドガやマネ、ゴーギャン、モネといった19世紀以降の作品もあり、ほんとうにスター勢揃いで最初から最後までワクワクしっぱなし。
これほど揃えば、目玉作品であるカラバッジョの「音楽家たち」やフェルメールの「信仰の寓意」(いずれも日本初公開)であっても、その前にとんでもない人だかりができておらずじっくりと見ることもできた。
一方、目玉作品扱いはされていなかったものの、私として見たかったのがヴィジェ・ル・ブランの「ラ・シャトル伯爵夫人」。
この人の描く肖像画の女性はどれを見ても美しくて良いのでかなり好き。
しかしその隣に展示されていたマリー・ドニーズ・ヴィレールの「マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ」には惹きつけられた。
ル・ブランの描く女性は基本的にはマリー・アントワネットに代表されるように王侯貴族なので、たおやかで柔らかい「ふわふわした女性」なのだが、ヴィレールのこの絵に描かれた女性(画家らしい)はなかり鋭角的な印象で「意思を持つ女性」という様相がよく表れていた。
他にもジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「女占い師」やヤン・ステーンの「テラスの陽気な集い」のように滑稽な絵(ただし、その中に教訓が含まれている)や、だいたいどの美術展にも出展されているので「今回はどのやつだ?」になってる毎度おなじみモネの「睡蓮」なども見るべき作品だろう。
コロナ禍で大型展があまり開催されなかった今年だが、最後の最後に大物に大満足であった。
来年は西洋美術では「フェルメール展」や「スコットランド王立美術館展」、日本美術では「国芳から芳年へ」や「空也上人と六波羅蜜寺展」などが予定されているとのこと。
やっと平常に戻ってきた感じであるが、このまま平穏無事に開催されてほしいものだ。